IN HER TWENTIES 2013 公演情報 TOKYO PLAYERS COLLECTION「IN HER TWENTIES 2013」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    女性の人生
    20歳になったばかりの「私」から30歳間近の29歳の「私」まで。
    10人の「私」が自分史をそれぞれに語っていくという、登場人物が20代の
    女優のみという、かなり異色の作品。すごく面白かったです!

    最初は賑やかに、笑えて、でも最後は切なくも希望に満ちた、
    良い意味で演劇の王道、そんな作品。

    ネタバレBOX

    20歳になりたての「私」は音大に通う、トランペットを演奏する子。
    将来は海外への留学を経て、有名なオケで演奏する夢を語る。

    29歳になった「私」は編集者。淡々とした語り口で、さらっとした
    口ぶりからは、人生の酸いも甘いもある程度知った大人の女性の
    顔をのぞかせる。

    この二人を軸に、20代前半の「私」5人と、20代後半の「私」5人が
    円陣を組んで、それまでの人生を振り返りつつ、夢や恋愛、仕事に
    自分にとって大切な存在をゆっくり語っていく…

    って言えればいいんですけど、この作品、笑いの要素も多くて。

    25歳の「私」が大失恋して凹んでいるところに、26歳と27歳の
    「私」がま、時が経てば忘れるって、って慰めに入るも、25歳からは
    お前らが今そうしていられるのも、私が土台にいたからじゃないか! と
    喰ってかかられたり、

    27歳と24歳の自分とが価値観の違いから激しく応酬し合ったり、

    同じ自分でもこんなに違ってしまうのだな、とほとほと感じました。

    でも、女性ばかりわいわい賑やかにやっている舞台って華があって
    いいですね、楽しくなります。単純に観ていて面白いです。

    なんかこの作品観ていると、人生行路、脇道にそれたり、違う道に
    紛れ込んだり、新しい道を作ってみたりと、最初考えていたのと
    違うところに進むことはよくあっても、人間、最終的には、それなりの
    ところ、必然あるところに落ち着いていくのだな、と。

    劇中でも、大切な人はそんなに広がってはいかなかった、って
    28歳の私がしみじみと語るのを観て、自分の人生まで考えて
    いってしまいました。

    最後、結構しんみりしてくる終わり方といい、この作品は笑って
    感じて自分の中で温めて。そして、時に思い出すのが素敵な
    楽しみ方のような気がします。

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    2013/02/23 21:57

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