国語の時間 公演情報 風琴工房「国語の時間」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    その後も気になる
    日本の統治下で翻弄された朝鮮の人たちの、それぞれの温度差と、温度差によって発露される行動の差異を見ました。

    ネタバレBOX

    日本による統治約35年の最後の5年ほどを日本語を教える教室を舞台に描いた群像劇。全員が朝鮮人。

    どのような世代にも様々な考えがあったのでしょうが、この学校では20代の教師ほど日本人になりたがっていて、男は軍隊に入ることで真の日本人になろうとし、女は日本人との子を生むことで生物学的に子孫を日本人にしようと考えていたのが興味深いところでした。もう少し上の先生は反日、教頭クラスになると本音と建前を使い分ける老練さがありました。

    時々日本などからよその風を持ち込んでくる卒業生のチャラ男の存在、変化がいいアクセントになっていました。最初は日本での成功を夢見たりしながら、兵役忌避、最後は民族運動に加わろうとしました。

    朝鮮総督府の役人甲斐壮一郎がパクガンヒという朝鮮人だったという事実は衝撃でした。日本語の訛りを執拗に指摘したり、朝鮮語の落書きを異常に憎んだりしていたのは役人としての使命感故かと思っていましたが、ハングルが読めない彼の劣等感を覆い隠すための反動の現れでした。母親に捨てられるかもしれないと思った幼少時の恐怖から始まる彼の一連の半生、日本にいるであろう息子に会いたいがために日本語を勉強する母親の姿はもう一つのドラマでした。

    日本による統治35年の内、最後の5年ほどで、創氏改名や朝鮮語による授業の禁止など極端に民族を否定する動きがあったことが分かりました。考えさせられます。

    彼らの戦後、特に女教師柳先生の行く末が気になります。

    ところで、日本から買ってきたラジオを教壇の机に載せていきなりスイッチを入れる、これはまあ許せるとして、感度を確認するために色々傾けながら廊下をあちこち歩き回る、ここまで来るとそんな長いコードがあったかいな、そもそも乾電池式じゃないんですよ、コンセントに挿してからスイッチを入れてくださいなと言いたくなりました。

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    2013/02/23 11:03

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