ふりつけされたえんげき『君の知らない転び方』 公演情報 ホナガヨウコ企画「ふりつけされたえんげき『君の知らない転び方』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    その日はわりと面白かった。
    ダンスをみた、というだけでなくその日はわりと面白かった。

    舞台をみる、ということがその時の気分によっても大きく左右されるから。

    開演ぎりぎりに当日券で入ったら、入り口の近くの一番端っこの席で、
    舞台をみるにはわりと見切れてちょっと、というところだったけど、
    あとで考えてみるとそれも満更でもなかった。


    作品は非常に練られている、という感じで、
    何気ない日常の動きを音楽にするみたく、
    音楽を物語にするみたいに。

    夕暮れの
    日が沈む前の景色を
    昼の国の女の子から夜の国の女の子への手紙のなかに
    溶かしこむように。

    ちょっと見にくいけど、ま、いっか、と思ってるとそこにちびっ子(女性)がひとり。
    出口の扉を開けようとしてるんだけど開かない。
    男としては、目の前のレディの膀胱破裂の危機(推測)を救わなければとやわら立ち上がってその子の頭を撫でてカッコよく押したつもりがビクともしない(苦笑
    必至になりながら鍵を何度も回して押したり引っ張ったりするが動かない。

    女の子は泣きそうな顔をして母親のところに行き、母親と一緒になって劇場のスタッフに電話をかけてやっとドアは開いた。

    自分はわりと汗だくになった(苦笑

    終演後にそのちびっ子の母親なのか関係者っぽい女性が、
    さっきはありごとうございますと言ってくれたのだけれど、
    自分は全然役に立たなかったので、
    「頑張ったんですが、すみません、開けられなくて」とか何とか言ったような気がする(なさけな(笑

    ちょっとビックリしたのは終演後のアフタートークでその女性がゲストだったこと。
    ちょっと笑った。

    終演後、近くの古本屋で物色していると、さっきの女性らのグループがこっちのほうに呼びかけてるみたいで、
    何かな、と思ったら、さっきのちびレディが本棚の向こうにいたらしく(その古本屋には絵本もあるのだ)見えないけど、
    声が上がったなと思ったら、ぴゅうと出て行った。

    なんかさっきの様子と違ってすっかりピンピンしちゃって子供っておもしれーなと思った(笑

    なんか、そんなことをぼんやりと思い出してみると、その日はわりと満更でもなかったかな、という気がした。

    ちなみにその古本屋では、自分は絵本でもファンシーな何かでもなく、
    戦前のアメリカのシアターギルドの本(そこは洋書が多い)を買った。

    自分にはあんなちびっ子みたいな可愛気は一生できないな、と思った(昔からこんなだったのだ(苦笑

    感想と言って良いんだか分からないケド、
    自分にとってこの作品の想い出は、手に汗握る(笑)膀胱破裂の危機の回避と
    密接な関係があるように思われたので、何となく書きます。

    でも、ダンスをみる、ということは、作品を分析するためではなく、
    「その日がわりと満更でもない」ことのしるしのためであるようにも自分には思われ
    こんなちいさなアクシデントも評価に含めちゃっても問題ないようにも思われるのです・・。

    必至になってノート片手に作品分析してたら、
    こんな感想一生かかっても書けないからなぁ。

    俺は・・・まぁ、立派なことを書いて人から評価される人生より
    こんなふわっとした人生の方が良いや(仕事はしっかりやるが(苦笑

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    2013/02/20 00:19

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