舞姫 公演情報 直也の会「舞姫」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    小難しかった
    終戦後の昭和23年が舞台だが、言葉遣いや生活行動が昭和レトロを通り越して中途半端に現代的。失踪した小説家が体験した異人たちとの交流、観ているこちらも耽美でパラドックスな空間からパラレルワールドに踏み込んでいたかのよう。
    小説という言葉にリンクしている為か、話の構成を三章に区切っていたが、現実と劇中劇と作家が迷い込んだ虚構の区切りが却って曖昧に見えて混乱しそうになる。役者さんは気になる人が多かったんですが・・・。
    休憩込みで約2時間10分、全体的に少々長いと感じた。

    ネタバレBOX

    タイトルにもなっている舞姫の趣里さん。人間の年歳で例えると500歳位、あるものを食して不老不死の踊り巫女だったと後にわかるが、踊る事で会話する能力を備え持っている。登場した時点から台詞を発した時も終始無表情、話のメリハリを付けるため冒頭くらいは表情の変化を見せてくれても良かったかも。どうでもいい事だが、声を荒げる箇所は伊藤蘭さんと声質が似ていて、やっぱり親子だなーと思った。突然いなくなった人々へ捧げる舞は上品で綺麗だった。

    ストリップ上がりの女優がいる劇団の舞台を何故か書く羽目になった作家。劇団に関わる人達と接する事で自身の記憶も甦ってくるが、戦時中の「夢」や「希望」等の言動はその当時だったら特高警察にしつこく狙われ易いと思うんだが。あれだけで済んで良かった。導かれた事がわかった瞬間、自身の運命もわかってしまう皮肉さがやっぱり哀れ。

    劇団女優の弘美、身体を資本にしていたのなら、態度にそれなりの気風の良さが見えても良かったような。着物帯のお太鼓のたれが垂れ下がっていたけど、あれはわざとなんだろうか。
    あの舞台劇は大衆演劇?新派?劇中舞踊はさすがに全員の所作がキマッてた。
    編集長の元部/軍人役の河内さん、厳しさと激しさの違いを見せていい感じ。
    伊福部役の田島さん、妻との関係や、真実がわかってからのいろんなものが混じりあった表情が印象的。

    突如襲った災害の話は、自分の中でどうしても2年前の震災を思い出し、生じて滅する部分が覆ってしまうような心理状態の為、ちょっと辛かった。もっとも、直接的な被害に遭われた方々に比べたら全然対したことはないんだけど。
    それらを含めて、生きている事の素晴らしさが作品から部分的に伝わってはきたが、完全には理解出来なかった。すいません。

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    2013/02/17 01:23

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