満足度★★★★★
めったに観れない妙ージカル
堪能しました。反復される曲がイイ。振り付けもイイ。男達のぴっちりスパッツも。サロメvsヨカナーンを数組のカップルが演じる。彼らを物語の中で絡み合わすことは特に考えられておらず、お話に有機的な繋がりを期待すると肩透かしを食らうのですが、その短編集の様なカップル達の間を王であるタクシー運転手と客がうろつく時に、なんとも言えない摩訶不思議な様子が漂う。まるで心中したカップルの死体が漂う水中を硝子のタクシーが当て逃げしていく様な。そんな夢想をしてしまうのは、天井を埋め尽くすチュッパチャップスの雨のせいでしょうか。舞台に溢れているのは愛という名の生の営み。唄い踊る彼らの身体からゾロ目の人生が透けて見える。あたしたちは生まれて食べてセックスして死ぬんだねえ。途中、フィナーレの様なレヴューがあり、終わりかなと思ったらまたエピソードが始まるのも妙ージカルたる由縁なのかな。バナ学で強烈な印象を残した浅川千絵サンが出ていました。