strange 公演情報 ニットキャップシアター「strange」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    理解不能を楽しむ
    名前の通ったごまのはえさんらしく、「表現を追求するぞ!」という若手の気概を感じる、シュールなお芝居でした。

    ネタバレBOX

    民族的な、打楽器の音色やチューブ音が好きでした。
    床に線を描いたり、壁に絵を描いたり、マイクで囁いたり、仮面を使ったりと、小劇場ならではの世界観、抽象的な小空間を表現していました。
    残念なことに全体的に支離滅裂を楽しむというか、話の意味が分からなかったのですが、役者のやる気と実力を感じました。

    第一部の垂直移動編が、とても好きです。
    仮面を効果的に使い、ヘソのない少年の冒険を追います。科学施設とか猫社会とか王だとか悪霊のような老婆の過去とか、夢の世界のようなワクワクする単語と演出がたくさん出できました。
    あの男と老婆の今後が気になります。

    第二部の平面移動編が不快でした。
    元劇団員Lの話ということで、劇団の打ち上げとか、「2011年3月12日」とかの日付の連呼とか、メタな内容です。
    震災日付まで読み上げて3月11日以降のLの行動を追うのですが、あまり震災問題を調べた感じしないし、テレビが震災の話題ばっかりだったとかLの友人から劇団に電話があったとかあくまで徒然とした日常で、だから何が言いたいか、というメッセージ部分が弱かったです。

    赤裸々に言えば、関西震災をネタにした自慰を見せられた気分で、(Lがボランティアに行かなかったからではなく)脚本を書いた人にとって、震災は終わったこと、他人事な事件なんだなぁと透けて見えて哀しくなっていきました。関西だと皆そういう感覚なのかなぁと気持ちが少し重くなりました。

    第三部の直角交差点は、自分の内面を多重人口化したような、内面世界観。
    大自分怪獣の「ほっとけや」と、「ご本人様」いうネーミングが良いなと思いました。

    それぞれの自我の目的が、明快に別れていると、感情移入できそうです。
    もっと自我の戦いを続けて見たいと思いました。

    0

    2013/02/04 12:39

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大