満足度★★★★★
二度目のニットキャップシアター
失踪した「男」と残してきた「女」の存在が、とけたり、ぶれたり、ぼやけたり。
不思議な重力でグワッと持ってかれるような、そんなおかしみや美しさ。
面白かった。もっとずっと見ていたくなる素敵な100分間。
2011年4月の日本を、こんなに感覚的に豊かな切り口で、愛らしい強度と立体性を持つ演劇にした、そのちから、「まいりました!」としか言いようがない。
ニットキャップシアター作品を観るのはこれが二回目。
演劇の面白さのひとつに、“役者の身体が持つ「換喩力」みたいなもんを使った、いろんなスケールや次元を並列したりねじれの位置に置いたりの遊びによる、「現実」の詩的解体・再構成”的なのがあると思うんだけど、このニットキャップシアターって集団はそこら辺すごい切れ味やってくれちゃうなあって印象。
役者のちから、空間のちから、クセになってしまいそう。