満足度★★★
明日にすべきだったかも
何故かと言えば、明日は、演出の黒岩さんのポストトークがあるからです。
この作品、演出意図を伺わないと、感想が大きく異なる気がするのです。
登場する主要人物は、皆アメリカ人なのに、一向にアメリカ人ぽくないんです。まるで、日本人のお話みたい。仕草や表情が、あまりにも日本的な役者さんばかり。最初は、そのせいで、この舞台世界に心が同化せずにいました。でも、待てよ!と思いました。昴って劇団は、翻訳劇の上演が多いでないの。私は、何度もこの劇団の翻訳劇を観ているけれど、今まで、登場人物をここまで日本人的に捉えたことはないぞ!って。
で、もしかしてと思ったわけです。役者に、アメリカ人らしさを要求しない、むしろ日本的な演技は、演出意図かもしれないと。
そうであれば、これは、なかなか秀作です。
原爆投下を、日本人は、被害者としてしか捉えられない。でも、アメリカ人は、やむを得ない選択だったと、肯定的に捉える。
こういう事態は、いつの時代も、どこの戦争でも、常に普遍的な事象なのかもしれません。
そして、内地の人にとっては、元々他国であった異民族の沖縄の人に起こる悲劇は、どこか他人事なのかもしれないと、今の現実社会の不条理を想い、やるせない気持ちになりました。
今後のアメリカとの対等な付き合いも、益々困難なのだろうと、未来に希望が見えなくなったりもしますが、この舞台を、演劇作品としてだけ、評価するなら、かなり、まとまりのある佳作だったと感じました。
2013/01/31 02:01
こちらこそ、「モジョミキボウ」のご感想、ありがとうございました。
初演で、大変感動したのですが、でも二度観たいとは思わなかったので、今度の舞台はどんな風かしらと、気になっていましたので。