世界を終えるための、会議 公演情報 タカハ劇団「世界を終えるための、会議」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    セット券で観劇
    タカハ劇団『世界を終えるための、会議』・『世界を終えるための、アイ』を
    セット券で観劇。

    『世界を終えるための、会議』
    人間の思考停止への警鐘なのだろうか?
    全ての判断を機械に任せてしまうこと、
    高羽さんが関わっているアニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」での
    シビラシステムの危うさにも通じるものを感じた。
    結局は葛藤し続ける事がより人間的ということなのか。
    翼島を演じた岸井さんの可憐さに驚き。
    本当に中学生かと思ってしまったが、ちゃんと成人された女優さんだった。

    『世界を終えるための、アイ』
    変わって、板倉チヒロさんの一人芝居。
    「彼」の物語だというのは薄々予想ができたが
    これ、逆から見たら鳥肌ものかもしれない。
    板倉さん、前回のネジ工場のときも一番印象深かったが
    やはり印象が強烈である。

    ネタバレBOX

    『~、会議』
    舞台を挟んで対面式の客席。
    開演前から役者が出ていてオセロをしたり所在無さ気にウロウロしたり。
    奥側の客席に行くのに舞台上を通るのだが、
    役者さんと遭遇してちょっと気まずい雰囲気も。
    わたしは手前の席で良かった(笑)

    ひたす複数の男女がいるが皆が暇そうにしている。
    無駄話やゲームをしているが、何かを待っている様子。
    会話から、どうやら彼らは人間ではなくコンピュータシステムらしい。
    新システムに取って代わられた旧システムである彼らは
    ひら人間からのアプローチ(検索機能?)を待っている。
    人間たちは「彼」という新システムに何でも頼り、
    自分で選択、決断することがなくなっている。
    結婚相手との相性、志望校の選択、友達に彼の不実を告げるかどうか・・・。
    久々に旧システムに下された命令は、「彼」を葬ること。
    誰が何の為にかはわからないが、旧システムたちは
    自分たちの方が優位だからだ、と思い込み対策をたてはじめる・・・。

    一つの問いに対し、一番合理的な答えを導き出そうとする旧システムに対し、
    美しさを基準にする「彼」。
    人間は「葛藤し続けるシステム」を開発する為に「彼」を排除する。
    人は美しさのみを追及するものではないから。

    話の中に横たわるのは「5人の人間を助ける為に1人の人間を殺すのか」という問い。
    それが合理的だと主張する旧システムに対し、自分が犠牲になるという「彼」。
    結局は「彼」の排除に成功する旧システムたちだが、
    暇な状況は変わらず、結局は自分たちもフリーズしてしまう。

    個性的な役者陣の会話劇。
    コンピューターシステムとは言いながら、随分とアナログな感じが面白い。

    『~、アイ』
    美しさという概念を思考の中心に置いた彼の物語。
    「バラ色の夕焼けはバラの香りがしますか」という問いが美しい。


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    2013/01/30 11:16

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