ねぼすけさん 公演情報 バジリコFバジオ「ねぼすけさん」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    狂おしいほど静けさが欲しい
    漫然とした日常への違和感に叫びたくなる、その原因を社会生活の外部に設定したのは良かったかどうなのか。ただそれが真骨頂なのだろうから如何ともしがたいが、いずれにしてもその一番大事な点にイベントが多すぎて、味気ない日常に飽和状態になる心理が見えにくいのは残念。

    自分の生活が見えないものによって制御されているという感覚を、現実の我々が共感するためには、異物は「静かに消される恐怖」が欲しい。プチ・グロの効果は強すぎて返って後半の芝居を見る観客に警戒感を持たせる。戯曲の入れ子構造はやや乱暴な印象。その無骨さが魅力かもしれないが。

    俳優陣の味付けの濃い掛け合いは小気味良いが、セリフが身の丈に合っておらず浮いている箇所も。その点長男役の三枝貴志がラフでいながら跳躍力のある伸びやかな芝居で牽引している。家族団欒の時代として昭和30年代を選んだとすると言葉や衣裳にもう少し現実味が欲しい。

    必然性という言葉はあまり好まないが、戯曲としての中身を盛り立てるタイトルにももう少しひねりが欲しい。とまれヴァーチャルとリアル、仮想と現実という我々が直面している問題にもう少し肉薄する視点が欲しい。つまりメメオの身体的二重性を感傷的に描くのでは何も解決しない。

    肉体と精神の話になると途端に抽象的で感傷的になったのが残念。肉体的な欲求を精神世界で、つまり仮想現実で満たそうとする現代の人間のイタイところを突きかけたところでお定まりのカタルシスとなってしまった。その自慰行為の醜さを描いてこそのグロテスクだ思うが行き過ぎか。

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    2013/01/27 23:58

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