祈りと怪物 〜ウィルヴィルの三姉妹~ 公演情報 Bunkamura「祈りと怪物 〜ウィルヴィルの三姉妹~」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★

    壮大を装った作り話
    アルジェリアのテロでの犠牲者のニュースなどを見ていると、殊更、この壮大そうな作り話が、空虚に感じられて仕方ありませんでした。

    正直言って、脚本にも演出にも、何も魅力を感じることはできませんでしたが、ただ役者さんは、それぞれ、魅力的で、構成もしっかりとはしているので、4時間20分の観劇そのものは苦痛ではありませんでしたが。

    古谷さんが、お元気そうでほっとしたり、伊藤蘭さんと大石さんの執事夫婦の演技が素晴らしく、印象に残りました。

    ケラさんの演出は観ていませんが、蜷川さんの、またそれか?の物が落下したり、雨を降らせたり、最後の劇場機構を逆手に取った演出は、あまり必要性を感じず、ゲンナリ。

    コロスのラップも、無理やり感いっぱいで、逆効果だった気がします。

    ネタバレBOX

    どうも先に企画ありきで、ケラさんが、熟考して、愛情を籠めて作品を生み出した気配があまり感じられない戯曲だったように感じられてなりませんでした。

    ダークな「わが街」風だったり、「三人姉妹」風だったり、ギリシャ悲劇風だったり、ありとあらゆる調味料を混在させ過ぎて、味が雑になってしまった気がします。

    これだけの登場人物を使って、何を描きたいのか、軸が見えないし、わざわざこんな作り話を新たに生み出さなくても、この面々で、シェークスピアや南北を上演してくれた方が、ずっと見ごたえある舞台になったのではと、この作品の上演それ自体に、意義を感じられませんでした。

    でも、キャストは、端役に至るまで、適材適所で、本当に、演技を堪能させて頂けたのは幸いでした。

    一番不可解だったのは、ヤンの服装が、密航してきた時のままだったこと。何故?何か、理由があるのでしょうか?

    主演の森田さんを初め、若い役者さんの好演が光る舞台でした。

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    2013/01/23 03:45

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