満足度★★★★
9作品目
冷たい雨だったが、思いのほか早く止んでくれた。折り畳み傘にしておいて正解だった。で、この寒い中、サンモールスタジオにて「Goodnight」以来の劇団競泳水着。この劇団の作品を観させてもらうのも、もう9作品目だ。
お見事です。上野友之さんの作品は外れませんな、もう。俺なんかでは到底感じ取る事ができない、女性目線での恋愛ストーリーを書かせたら関東演劇の当代一に近付いてきているのではないか。かつてトレンディードラマシリーズという連作を上演していたが、そこからの大人アプローチへの成長が著しい。この劇団の成長は、「そして彼女はいなくなった」辺りから二次曲線を描き始めている。
後半にさしかかって少し話が重くなり過ぎてダレ始めたかなあというタイミングで、細野今日子さん&根津茂尚さん夫婦のエピソードがスッと入ってくる。あのタイミング、あの構成は技だ。上演時間を見越したタイミングで、やり過ぎの無いコミカルさを挿入するのって実はかなりの度胸とテクニックを要するのではないかと思う。最後のザンヨウコさんのエピソードも、2012年の素敵な締め。
劇団員の中で一番演技の幅が広い大川翔子さん。今回もお見事だった。川村紗也さん、細野さんももちろん上手なのだが、この2人は若干タイプキャストになりつつある。大川さんは毎回違った温度の役を全く違和感無く演じているので、俺の中での評価がとても高いのだ。お見事、お見事。
相楽樹さん。とても演技がうまい。ものすごく若い段階で舞台に挑むアイドルを何度か見かけているが、皆驚く程演技がうまいの。相楽さんもそう。ゴールデンのドラマで目にする日も近いかもしれない。まあ事務所の力次第なのだろうけれども。