よく聞く 公演情報 劇団あおきりみかん「よく聞く」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    良く練られた物語
    面白かったです。話が進むに連れ、徐々に謎が解けていくのが、推理小説の様で楽しめました。「聞く」ことの難しさは常々感じていましたし、聞き上手な人を見ると感心しますので、カウンセラーというのは興味深い着眼点でした。

    ネタバレBOX

    展開のテンポは良かったと思います。ただ、相談に来た刑事が様子のおかしいカウンセラーとロープレ(専門用語、忘れました。過去の事象を演じて感情を分析する手法です)していたところがうまく繋がらず、疑問が残りました。

    当初の設定では、小泉がいるところに竹中が来て、小泉の様子がおかしいことに気づいた竹中がカウンセラーの振りをして、小泉にロープレを持ちかけたと思います。刑事だからといっても、プライベートでここまで踏み込むとは想定しずらいのです。竹中の目的が片山だとしても、ターゲットの雇用主の様子まで気を回すほどヒマだとは思えません。ここがピタリとはまれば気持ちがいいのですが、最初の展開に凝るあまり、最初と最後の繋がりが甘い印象があります。細かな仕掛けはよく出来ていました。小泉が実は土井というのも想定外でした。

    小泉は、ロープレの時の外人キャラが面白かったです。長かったので、ちょっとしつこい感じもしました。お芝居のところはたどたどしいだけでなく、他のキャラ付けが出来たら素晴らしいと思います。

    竹中は、落ち着いた観察者感がよく出ていました。細川との息のあった演技が素晴らしかったです。細川は、舞台の笑い所をちゃんと作っていた点が素晴らしかったです。辻元との掛け合いもよく、役同士の関係を上手に繋いでいました。

    土井はカウンセラーっぽく、しっかりした様子が良かったです。ちょっと潔癖っぽいところも、不安定な人格を想起させて良かったです。東は、一見しっかりしているので、実は抜けているキャラに意外性があり、良かったです。個人的には、番人役よりも常連客役の方が合っていたと思います。

    片山は、ほんわかした助手の雰囲気がよく出ていました。ライバルのキャバ嬢役の時の豹変ぶりが面白かったです。辻元は、間抜けな泥棒にピッタリの演技でした。意表をつくドジっぷりに、普段面倒を見ているであろう細川に同情しました。

    個人技に加えて、特に俳優陣のコンビネーションが光る舞台でした。細川の貢献が大きいと思います。難点は、机の上が小道具だらけになるのが気になりました。上手く使い回していたのですが、気が散りました。

    ベランダは、青空の書き割りでしたが、途中、夕刻の照明の場面がありましたので、照明等で夕暮れに変われば良かったと思います。
    あと、謎が幾重にも重なっているので、ついて行けない人もいたみたいです。後ろの女子学生さんは途中で飽きたみたいで、ずっとアンケート板をカチャカチャしてて、うるさかったです。アンケート板は、あちこちで落としていた様ですし、落下音が大きいので、席が狭い劇場では使わない方が良かったかもしれません。

    謎解きに関しては良く出来ていたと思います。精度を上げて、最後に観客から感嘆の声が出る位の作品を作って頂けたら嬉しいです。今後に期待します。

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    2012/12/24 00:00

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