満足度★★★
社会的アートプロジェクト
映像上映が主体ながらもライブならではの趣向も盛り込み、社会的な内容をユーモアを交えて表現した作品で、アートを介して政治的な問題に関わろうとする意志が強く感じられました。
北朝鮮製の映画に偽装して海外の文化を紹介する映画のDVD500枚を北朝鮮に密輸して流通させるプロジェクトの、(1)DVDに納められた4本の短編映画の上映、(2)映画製作のドキュメント映像の上映、(3)映画を観た北朝鮮の人からの手紙や、脱北した家族へ宛てた手紙の朗読(映画の出演者による)の三部構成で、北朝鮮の人々の生活や文化的環境について色々と考えさせられる内容でした。
第3部の最後にアコーディオンを演奏する姿を収めたビデオレターが流され、そのまま舞台上手に座っていたアコーディオン奏者が引き継いで演奏するシーンが印象的でした。
本編終了後に、映画内で紹介されたレシピで作ったピザが振る舞われ、それを食べながらのアフタートークがあり、北朝鮮で作れるように考案されたレシピなので、チーズの代わりに豆腐、スパイスはコチュジャン、オリーブオイルは使わずで、正直美味しくなかったのですが、その美味しくなさも作品の要素として機能していて、興味深かったです。