満足度★★★★
人生は、哀しい「ぱれえど」
浮世企画は旗揚げから見ているが、回を追うごとに作品が面白くなっていってると思う。
最初のあぶくが「え?」と思うイマイチ度が強かっただけに(笑)成長ぶりが著しい。
今城文恵の作品は都市の片隅で生きるごく普通の人々がそれぞれにいろんな事情を抱えていて、表面と裏面のギャップ、その隙間に手を突っ込んで見せていく想像力がなかなかだ。
作家としてのスタイルが徐々に出来つつある。
前回の「沼辺者」に続き、場末感漂う地域、今回はどぶ臭さが漂う小さな町の話。
初冬の新宿、スペース雑遊という劇場にも適した内容の芝居。
ボヘミアンを思わせる音楽がドラマに合っていた。
冒頭の喫煙シーン、結構煙が出るのでタバコの匂いだけで咳が止まらなくなる私は最前列にいてドキっとしたが、咳き込まずホッとした。
この劇団、以前は開演前に喫煙場面の告知注意があったが、今回はなかった。できればあったほうがありがたかった。