満足度★★★★★
男3人芝居をじっくり堪能しました。
最近、SF的設定やファンタジー、海外の古典とかミュージカルなどが多かったので、
久々に日本のオーソドックスなストレートプレイ、3人芝居の普通の話をじっくり堪能しました。
歴史的な役柄が多い平幹二朗さんが演じる父親は、波乱の半生を歩んだ元カリスマ的町工場の経営者。
佐々木さんは、それに憧れながらもバブル崩壊を目の当たりにして反抗する息子。
溝端さんは、町金の取り立て屋でありながら、その環境の中での出世を夢見る、ごく普通の青年。
3人の、探りあいながらの会話を、非常に楽しみました。
平さんは身近な役柄は最近めずらしく、しっかりと元気に、時には飄々と、しかし狡猾さを感じさせて
演じられていてさすがです。
また失敗を繰り返してしまったと悔しがり、しかし息子と絆を確かめる。
溝端淳平さんは、『ウサニ』の主演と後で気づきましたが、そのときも一人、長ゼリフをこなし
感動させられましたが、今回も、芸達者なお二人を向こうに回し、
昔のステレオタイプの取り立て屋とは違う、複雑な心境の若者を演じ、善戦していました。