満足度★★★★
大丈夫だよ・・。
五反田団の芝居を観るのは年始の「工場見学」から、3ヶ月経った今回の作品だから、小劇団の芝居のペースから言うと、結構な公演ペースだよね?
前田は昨年の、岸田國士戯曲賞受賞作の「生きてるものはいないのか」や、芥川賞候補にもなった小説「グレート生活アドベンチャー」を、舞台化した今回の作品などご存知の方も多いだろうから、たぶん・・・小屋は混んじゃってるんだろうなー!と想像はしていたものの、こんなに混んでるとは露知らず・・・待ちに待たされ、挙句の果てに3階席まで案内されて・・対岸の彼方どころではなく、前田さまさまの顔がちっさくなって目の動きも解らないほどで、対海の彼方に感じたのはワタクシだけでしょうか?(^0^)
ストーリーは元カノのアパートに転がり込んで夜的に言うと『ヒモ』、昼的に言うと『ニート』、シビア的に言うと『パラサイト』生活をゆるゆると送ってるオトコの物語なのだ!
本来なら暗くどん底になり易い定職を持たない、金も持たない、家も持たない、それこそナイナイずくしのオンパレードごとき暮らしなのに、当の本人は楽天的に「ど~にかなるじゃん!」的な発想で、全然まったく心配ご無用なのだ。
ところがどっこい、元カノはそんなゆるゆるのど~にかなるじゃんオトコにいらついたり暴れたり泣いたりするのだが、そんなオンナを慰めたり励ましたり、癒したりしちゃってるこのオトコに偉大さを感じてしまう。。(^0^)
ど~にかなるじゃんオトコ30歳は、自分のそんな不安定な状況にも無頓着でゲームをしたり、アニメを読んだりしながら、相変わらず引きこもってのらりくらりと生活してる。
舞台のセットは一組の布団と三枚の座布団、空や飲みかけのペットボトル、雑誌やらティッシュが散らばってる。
ど~ってことない脚本なのに、何故かムショウニ感動するのは何故だろうか?
ああ~、解る解る!と感じる独特の雰囲気に共鳴するのだろうか?
30オトコを前田でない他の役者が演じたらコレほどまでに、この芝居を好きになれるだろうか?
うん、そうだ!きっとみんな前田が好きなのだ。
ゆるゆるを演じる前田も働かないでゲームに興じる前田も蹴られる前田も淡々と演じる前田を全ての観客は好きなのだ。
特にイケメンでもない普通さ。オーラがあるわけでもない普通さ。極端に個性がある訳でもない普通さ。毒もなくキラキラ光ってる訳でもない普通さ。
この普遍的な普通さにシビレルのだ!(^0^)
そうして・・「大丈夫だよ。人生、どうにかなるから・・。大丈夫だよ。」ってなでなでされてるような気になるのだ。
2008/03/16 23:29
2008/03/16 21:33
実はワタクシの知り合いでも、ニート的な(的というのは、たまにアルバイトはしてる)生活をしている方がいらっさいますが、ご本人は並大抵の苦しさじゃあないようですよ。
働いてる方が余程、楽だって。精神的に。
んじゃ、働けば?って感じだけれど、変なプライドがあるらしく、どんな職業でもいいって訳ではないようです・・。
ワタクシ自身はニート的な生活をした事がないから理解は出来ないけれど、定職を持って働く側のニンゲンとしては、年々、色んな部分がそぎ落とされるような気がしますよ。
本音を言ったら失脚する世界でしょう?ある意味(・・)
それでも、ギリギリまでは本音を吐いてますよ。これ以上言ったらあかん!っつーところまで。(^0^)
生きたいように生きられないから人生なのかと・・。
もし、おーじの周りで生きたいように生きてる人が居たとしたら、犠牲になってるニンゲンは必ず居るのではないでしょうか?
出来る範囲で生きたいように生きれば良いかと。
そう考えてますよ(^0^)