『熱狂』・『あの記憶の記録』3月に完全再演致します!!詳しくは劇団ページをcheck!! 公演情報 劇団チョコレートケーキ「『熱狂』・『あの記憶の記録』3月に完全再演致します!!詳しくは劇団ページをcheck!!」の観てきた!クチコミとコメント

  • あの記憶の記録
    感想は言葉にし難い。ここで語られていることは参考文献とした記録を元に、作家が編み直した記憶だからである。肉声を伴って記録を再現することに意義はあるが、いかにその記録を、物語としての記憶に再構成するかに作家の度量が表れ出てくる。

    記録は(改竄されていない限りにおいて)事実であり、記憶は虚妄だ。現今の作家が歴史を取り扱うには、記録を元にして物語=虚妄の記憶を作り、その中に何かしらの真実を見つけ出すための努力が必要とされる。

    ネタバレBOX

    今回の作品、上演時間のほぼ半分は登場人物が個人の記憶を語ることに費やされた。そしてある一人の人物がそれを記録していた。つまり記憶を元に記録を作り上げる現場を我々観客は目撃するわけである。

    歴史を歴史のままに記録するのは歴史家にでも任せればよい。そうではなく作家が書いた作品を観にきた以上は、物語=虚妄の記憶からいかなる真実を見出すかに観客は期待する。

    ゆえに憎しみは何ものをも生まない、という戦争を考える上で割とありきたりな解答に行き着いてしまったのは、平凡であったように思う。

    作家の意義として必ずしも新しいものを生みだすべきだとは言わない。が、すでにその記録について扱う作品が数ある中で、なにゆえに改めて自分の手で描きたいと思ったか、というオリジナリティを見たいところではあった。

    ……と、脚本についてばかり触れてしまったので、他についても一言だけ書いておく。

    演出としては八人もの登場人物がいながら、空間を混雑しているように見せず、また自然と観客の集中力を人物に向けさせることに成功していて良かった。役者もみなさんそれぞれに役として自分なりの考えを持っていたようにおもう。

    僕は作家志望の人間なので、とりわけ脚本への意見が多くなってしまうものだが、他意はない。なお満足度に関しては、そもそも作品を星の数や点数で評価することに違和感があるためにつけていないことを明記しておく。

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    2012/11/07 01:17

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  • ご来場ありがとうございました。

    一人の平凡な男の平凡な結論が、どのようにして生まれたのか。
    その過程というか、思考を感じていただければと思い、演出いたしました。

    2012/12/11 17:59

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