満足度★★★★★
胸を掻きむしられた。この芝居は死んだ者への弔いの話なのだと感じた。それは島崎藤村の歌が胸に響いたからだ。また生演奏は実に効果的だった。複雑に展開する場面は物語を越え一人一人の人の在り方を魅せてくれた気がする。この芝居は安徳天皇の落人伝説と歌舞伎の俊寬の流刑地のあの島を想定しているのだろうか?そしてウズの花がウズメが脱ぎ捨てた烏帽子とは驚いた、アメノウズメ神話と結びつく。悠久の神話を巧みに取り入れ、今回の和風サロメは知的好奇心と、切ない情感とで頭が混乱して、胸まで掻きむしられた。
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2012/10/31 02:20
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