45Av(フォーティフィフスアベニュー)の悲劇 公演情報 メガバックスコレクション「45Av(フォーティフィフスアベニュー)の悲劇」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    やっぱり、凄かった
    セットも、脚本も、役者さんも、濃厚な空気感も、素晴らしかったです。謎が解けていくようで深まり、ホッとしたのも束の間、新たな出来事や謎に振り回されるが、その理由や心情にも、納得でした。毎公演度に、もう一回観たいと思いながら、なかなか達成できず残念ですが、この作品は特に観たいと思いました。

    他の方も書かれているが、傑作と呼べる作品を創り続ける希有な劇団。観客にとっては、常に心を掴んで離さない魅力を感じます。ただ変わった事や違う視点にばかり拘っているような演劇人や経験の浅い役者さんは、この公演を見て、勉強して欲しいと思ってしまいました。

    ネタバレBOX

    いつもの感じの良い受付後、振り返れば、すぐに地下鉄事故の悲惨な現場で、思わず、立ち止ってしまい、感嘆!!!凄いっ。。。
    客席は事故車両の中、という造りに、ワクワク♪ドキドキ♪しながら、開演を待つ。

    「キャーーーー!!!」というテイル(大里冬子さん)の悲鳴から始まる舞台。
    ただの絶叫になりがちな女性の悲鳴ですが、深い不安と悲しみ痛みが見事でした。
    事故の悲惨さを物語る悲鳴と、全役者さんの各キャラならではの佇まいと、目の色(心情の意味)視線が濃厚で、私も事故の当事者のように、怯えていました。
    なので、閉演後、キャスト達の、いつもの爽やかな笑顔に、やっと一安心でした(笑)

    事故により密室と化した駅構内に残された人々、瀕死の重傷者デンタ―(星祐樹さん)の呻き声がリアルで痛く、又、爆発や崩れ落ちてくるかもしれない危険な状況の中、脱出の為に力を合わせたいのに、モルガ(吉田瑞樹さん)の反発。
    モルガの、社会から、はみだした感、いかにも薬やってるような危なさ、目がイっちゃっていて怖かったけど、上手かった。

    正義感の強い会計士ルザンヌ(下田修平さん)が、この状況を打破してくれるのか?と思っていたが、デンタ―の死への後悔や、モルガに打たれてしまった薬で、気力が崩れていく。
    その感や、自覚してなかったであろう心の脆さや心情の零れ方が、とても良く、いかにも、らしかった。

    危機感の続く状況、しかも、ここにいる数名は、どうやら未来からきている事が解り、『時空間の捻じれ』と、謎も複雑怪奇さを増していく。

    勇敢な女性ビル(前川史帆さん)が、とても良かった。
    こういう役って、ただ強いだけの女性になりがちなのだが、心に秘めた怯えや脆さの見え加減も良く、凛とした感が見事でした。

    突然現れた男(山上広志さん)、時折、浮かべるうすら笑いの様な、ただただ傍観する姿に、惹きつけられました。

    当初、怯えているように感じたケリー(新行内啓太さん)の中盤、終盤と、隠していた事と、いろんな場面が納得の演技力でした。

    FBI捜査官マシュー(滝さん)の、有り得ない状況を、信じなければいけない立場や現実の感が秀逸で、『時空間の捻じれ』の真実味を深くしていて、素晴しかったです。

    毎作品思うのだが、登場人物の過去や心情の、浮かび上がらせ方が秀逸で、想像できないラストも素晴らしい。『時空間の捻じれ』や、行方不明のテイルの子供や運転手の居場所等々、重なりあう謎の展開や理由が、納得いくので、SFの魅力が、とても活きていて、滝一也さんの戯曲は、本当に凄い!!!

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    2012/10/24 01:59

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