夢の星 公演情報 玉田企画「夢の星」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    超満員とフワチェイス
    ・・あれ?小竹向原ってこんなに人いたっけかな?
    と、思わず思ってしまう位何故か?満員で、
    夢か?と、思ってたら、内容も観客席に負けず劣らず?
    夢のような舞台でした。

    フェリーニの「8 1/2」を徹夜明けで観て5分で沈んだら・・・
    こんな風に・・なるわきゃないか。

    ネタバレBOX

    劇中劇は、
    どこにでもある普通のハナシ・・かと思いきや、
    どうも演出家もそれを分かっているらしくて、
    昨日まではどうも確信を持っていたと思われる指導内容も、
    今日はどうも全てが陳腐なもののように見え、
    演出家としての威信?を
    かなぐり捨てて、
    色々とチンプンカンプンな演出をしてみるものの、
    どうもまったく噛み合わず、
    (劇中劇のほうの)主人公の
    「猫がニャーと言っただけでキャット飛び上がる」
    小心・優柔不断・首尾一貫しない、
    まるで落語の主人公のような
    おっちょこちょいキングっぷりが
    際立つばかり。

    でも、それに追いつけ追い越せとばかりに
    熱血だが羅針盤の向きも定まらず迷走に迷走を重ねる演出家もまた、
    栄養の不足と相まって
    ふわふわさ加減に磨きをかけるばかり。

    主人公→フワ
    演出家→フワフワ
    主人公→フワワ
    演出家→フワフワヮ・・
    (ちなみに主人公を演じる役者は全然フワフワしてませんでした

    息をもつかせぬフワフワの応酬、カーチェイスぶり(略してフワチェイス!(って言うほどのことでもないか・・
    に、観ているこちらも観客席から浮かばんばかり(フワッ

    ただ、どうも劇中劇の内容は何のひねりも無く陳腐なようだが、
    ラストシーンで主人公が、
    青森出張を断るシーンで、
    理由を聞かれて
    「(奥さんが)寂しいって言うから」
    とか弱弱しく言うあたりで、
    話としては面白みに欠けても、
    主人公の人となりが良いのではないかというのがようやく伝わってくる(遅(笑

    それと同時に、
    ドジでオッチョコチョイでいい加減?と思われる演出家の愛される人となりも
    ようやく分かってくる。

    そのさじ加減が、とても巧い(笑



    もし、演出家が、有能ではあるが厳しい
    劇中劇の会社の上司のようであったとしたら、
    会社の売り上げと同様、
    劇中劇の興業も上がったかもしれない。

    ただ、それが人間味のある優しさのある舞台であったろうかと思うと、
    そうでなかった可能性の方が高いと自分は思う。

    完全に巧く作って共感を妨げるより、
    あえて巧みさを隠して
    共感を得る方法を、作者は良く知っていると感じた。

    そういう意味で、
    この作品は、巧さばかりが際立つ舞台よりは
    味わい深い作品になったように思った。

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    2012/10/22 23:22

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