花と乱歩と曾根崎心中 公演情報 演劇サムライナンバーナイン「花と乱歩と曾根崎心中」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    物語には裏がある
    裏の裏の裏という感じ、凄く面白かったです。

    ネタバレBOX

    『緋色の花』  東北弁に特徴があって捕まった小原保は、殺すつもりはなかったが足の悪かったことが吉展ちゃんにばれてしまったため已む無く殺したと自白。なるほどと思うと、実は殺された子は吉展ちゃんのお母さんが実の子が死んだ後に刑事平塚八兵衛の子供を誘拐して吉展ちゃんとして育てていたことが判明し逮捕される展開に。

    大声での刑事と犯人のやりとりは熱海殺人事件を彷彿させ、その裏にもう一つの悲劇が隠されていたことに驚きました。色んなところで繋がっている歌舞伎の人情話のようです。

    『ある日曜日』  編集者と食事をしてきたことに機嫌の悪い奥さん、筆が進まない作家と急かせる新刊雑誌の編集者…、そんな江戸川乱歩の日常の話かと思っていると急展開。乱歩の犯罪を怪人二十面相が暴き、観念した乱歩は明智小五郎に頼んで警視庁まで連れて行ってもらうことに。

    作中人物に見破られるとは、残念だけど作家冥利に尽きますね。

    『超能力大作戦』  zamuraiシリーズのコントが一つ入って箸休め。

    『異説・曾根崎心中』  おはつとと徳兵衛の逃避行かと思っていると、おはつは逃避行を手引きしてくれた九平次とできていて、九平次は徳兵衛を殺害し、おはつとの心中にみせかける。しかし、徳兵衛が女郎屋の主人を殺していたため追手が執拗に迫ってきて、改めて二人は心中することに。九平次は死ぬがおはつは生き残り、二人の男の死を肥やしにしたおはつは偉大な花魁(おいらん)にまで登りつめたという話。

    いくつ裏があるのやら。ただ、天満屋の主人と聞いたときは最初男かなと思いました。よく考えるとあの女主人のことで、ストーリーテラーとして色々な場所に出てきたのは幽霊だったからできたのですね。

    吉展ちゃんのお母さんとおはつの両極を演じた山岸彩子さんが印象に残りました。

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    2012/10/14 09:22

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