満足度★★★★
山本芳樹さん圧巻
山本エリックのプレビュー公演、拝見しました。
私がスタジオライフのファンになったきっかけは、山本さんと及川さんと石飛さんだったのですが、本当に、今回のエリックも素晴らしくてなりませんでした。
「オペラ座の怪人」は、四季では市村さんは見逃していて、その後何度か観た四季版では、一度も満足できるレベルのものはありませんでした。
ミュージカル原作が、人間ドラマが希薄なのかと思っていたら、昨年映画で観た50周年記念コンサートが素晴らしかったので、ミュージカルの不出来は、上演劇団の演出に起因するものだとわかりましたが…。
で、かねてより、日本の怪人には辟易していたので、山本さんのエリックには、苦悩と存在感と、愛の渇望が痛いほど伝わり、後半は、涙を禁じえませんでした。
ただ、怪人がオペラ座に住むようになるまでの場面が、やや冗長だったのが残念でした。
オペラ座が完成してからの、バックのスクリーン映像が素晴らしく、ため息が出ました。ちゃんと前面にいる役者とフィットして、全く映像とは感じさせないリアルさがありました。
ただ、人間ドラマとしての完成度から言えば前回の「ファントム」前篇の方がクオリティが高かった気かします。
ミュージカルでは、ただの変質者ストーカー的にも見受けられかねない怪人の人となりや周囲の人間の彼に対する関わり方が丁寧に描かれているので、ミュージカルのファンの方にも腑に落ちる作品になっていると思います。