ゴベリンドンの沼  終了しました!総動員1359人!! どうもありがとうございます! 公演情報 おぼんろ「ゴベリンドンの沼  終了しました!総動員1359人!! どうもありがとうございます!」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    沼の底。
    物語の途中で、沼の底に沈んでいる気持ちになった場面があった。
    きっとこの物語に参加した人は、沼の底に沈むキラキラとした星の砂を
    心にしまって宝物にするのだろう。

    以下、帰り道で、ツイッターで呟いたことを転載。

    ネタバレBOX

    劇団おぼんろ「ゴベリンドンの沼」千秋楽、幕。評判が良いのも分かる。廃工場をフルに使った舞台空間、温かさと切なさを感じさせる脚本。キチンと訓練されたプロ意識の高い役者陣。何より舞台を愛し、客(彼らは参加者と呼ぶ)をとても大切にしているのが感じられて、応援したくなる。
    待ち時間に飴を配ったり、桟敷席のスカートの女性に膝掛けを貸し出すなど、至るところに彼らの心配りが感じられて、開演前から温かな気持ちになる。
    元々、50人入ればいっぱいな感じの客席のスペースに倍くらい入っていたからか、荷物の預かりなどで開演が20分程押した。ので、この後の公演の制作発表イベントは電車の関係で残念ながら拝見出来ず。
    おぼんろは、見世物小屋の延長にある感じの、観客に演劇世界を「体感させる」小劇場らしい作品を作っていると思う。廃工場を使ったのは面白いが、飛び抜けて話の発想が凄いとかではなく、むしろ普遍的な物語だったと思う。でも、センスが良い。言葉の選び方や、衣装、舞台美術にもそれは感じられた。
    主役を演じた主宰の拓馬さんは役柄も相俟って「綺麗」と云う印象。外見もスラリとした線の細い美形さんだが(恐らくロングランでかなり痩せられたと思われる)、放つ空気が透明さと鋭さと優しさを感じさせた。
    ゴベリンドンを演じていた高橋さんの肉体・声のエネルギーが凄い。ダンサーやアクション俳優のような、体幹をしっかりと作っている身体だと感じた。
    とても良い舞台を観たと思う。やはり作り手が観客をしっかりと意識して、自分達を客観的に見る事が出来ている人だと、観る側の心を震わせる作品になると思う。そこに辿り着けている人かどうかは、素人でも観れば分かる。

    個人的には「遊び」を取り入れたシーンは戸惑いを覚えたし、背面で演じられるシーンはどうしても無理な体勢になるので、少しだけ集中力を途切れさせる感じがした。

    彼らの目標はシアターコクーンだと言う。その夢を一緒に見たい、と多くの参加者に感じさせる事こそが、おぼんろの持つ特別な「力」のように思えた。

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    2012/10/08 12:05

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