ことほぐ 公演情報 intro「ことほぐ」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    幸せとは相対的な物なのかもしれない
    一見、不幸せのように見える。

    ただ、よくよく考えてみると、不幸せとばかりも言えないように思う。

    幸せは相対的なものだから、
    一見、不幸せにも見えるが、それを外から羨ましがっている存在も、
    きちんと存在する。

    また、過去の筆者の作品を観た感想から、
    この作品が単純な
    『幸せ・不幸せ』
    の構図ばかりでないことも分かる。

    登場する女性は、一見、3人。

    ただし、冷静に観察すれば「女性」がもう一人存在する。

    ネタバレBOX

    実際の同性愛者の心理と言うのは、自分には不明だ。

    ほとんど接点が無いからだ。
    (仙台貨物の「芸スクール漢組」にでも入学すれ分かるのかもしれないが死んでも入らん(笑

    ただ、筆者はこの物語に登場する一人の同性愛者に、
    女性の心を持った男性を配置したと自分は受け止めた。

    そういう意味で、登場する女性は4人だ。

    つまり、女性の心を持った人が4人。
    また、男性の体を持った人が4人。
    登場人物は7人(ややこしいな

    一見、男性4人の女性3人で男性が多いように見えるが、
    実は(ほぼ)同数だ。

    女性(の体を持った)3人は、妊娠している。

    一見、不幸なようだが、
    冷静に考えてみれば、
    妊娠できない男性の体を持った女性(の心の持ち主)のほうが不幸だと思う。

    女性3人は、それに気づかないふりをして、
    自分たちの不幸に集中している。

    そのことを認めると、
    「自分たち妊婦こそが最も不幸である」
    という共感の前提が崩れてしまうからだ。

    女性たちというのは、
    自分たちの共感を妨げるものに対しては、残酷である。

    ただ、その同性愛者の男性も、
    女性のその本質に対し、おそらくは女性たち以上に敏感であるため、
    深くは追求しない。

    女性である筆者は、
    まずその特質を描きたかったのではないかと思う。

    即ち、自分たちの大きな幸福に気付かず、
    目の前の不幸に集中する妊婦たちをだ。

    考えてみれば、
    お金持ちの旦那を見つければ幸福か、といえば
    そんなはずはないことに気づく。

    つい先日も、家の近所の金持ちの家で、
    母親が小さな子供を虐待して殺したばかりだ。

    子供を一人きりで苦労して育てなければいけない、
    というのは、
    一見不幸にも見えるが、
    良く考えれば逆に、
    子供に一生懸命自分が頑張っている姿を見せられる、
    ということでもある。

    本来は二人で分かたなければならない子どもの感謝が、
    自分一人に向けられることを考えれば、
    それを絶対的な不幸と捉えるのは早計だと思う。

    経済的に恵まれた中で子供だけに愛情を向けるより、
    ご飯を食べさせるために一生懸命に外で働く姿を見せる方が、
    子供の心には良いのかもしれない(学力はともかく

    幸せ・不幸せというのは、相対的なものだと思う。

    自分が不幸せだと思っても、
    きっと近くでそれを羨ましいと思う人間も存在する。

    別に、母子家庭は意外と幸せである、と呑気に考えている訳ではない。

    自分は昔見た景色が忘れられない。

    学生の頃、どこかの施設に見学に行ったとき、
    隣の建物の窓から無邪気な顔が覗いていたのにふと気づいた。
    でも、窓の中は真っ暗でほかにひと気も無い。
    自分は、その子に似合わない部屋の冷え切った荒涼とした様子にびっくりして、
    表に出たときそこが母子家庭の人の入居している施設だと知った。

    自分の先入観などもあるのかもしれないが、
    その時(あくまで自分が勝手に)感じた寂寥感と、
    舞台の上の風景は、似ていても全く違ったものであるように思う。

    舞台上には、ぶっきらぼうな口調で実は心配している、
    近所のオッサンや兄や、心配してるのかなんだかわからない
    アパートの隣の住人や、
    これはたぶん母親じゃなくて子供だけ心配してると思われる
    暴力夫などがいる。

    お金はないかもしれないが、
    とりあえず今日のご飯は食べられた。
    (食欲がキーワードになるのが筆者の脚本の特徴であると思う

    おなかの中には幸せがあるのだけれど、
    一人では不安で、
    支え合って、
    自分たちは不幸だと大声で言って、
    おなかが空いて、
    ご飯をたべて。

    ・・・あ、これって女性だね。

    女性たる筆者が眺める、
    ずるくてわがままで早とちりで自分勝手で、
    でもおなかがいっぱいになれば結構何とかなりそうな気がする、
    男性よりずっと逞しいっぽい、
    女性たちの姿なんだろうね。

    きっと筆者は次また生まれ変わっても女性が良いっていう気がする(笑


    ・・まぁ、自分は女の人たちは本当すげぇなって思うけど、
    次生まれ変わった時も
    気ままに虫捕まえたりしていたいから絶対、男のままが良いけどね(笑

    (最近舞台見ても頑張って全部感想書く時間が無いから今回は特に頑張って書いてみた(笑

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    2012/10/01 20:32

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  • ご来場まことにありがとうございました。
    ていねいなご感想もありがとうございます。
    これからも、introは前進し続けて行きます。
    また、お会いできるのを楽しみにしています。

    今後ともよろしくお願いします。

    2012/10/04 10:52

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