満足度★★★★★
良質の映画!?
良質の映画を観終えた感覚。
Mayの作品には物語があり、しかも人間が生々しく生きている。
僕らはそれを、ただ観て感じればいい。
人が、国が、世界がと、
僕らはミクロでマクロな時間を生きている。
しかし彼らは違う。
肉を揺らせ、息をし、歩みを進めている。
『演劇』 という名の 『フィルム(人生)』 の中で。
May さんを観るといつも胸の奥を掴まれてしまう。
柔らかくて愛しい部分。
血という下地が、あまりに大きくて嬉しくなるのだ。
千秋楽満席立見のお客様を見て更に跳ね上がる。
『僕なら二刀流で世界を相手に大立ち回りするよ』
何度も反芻して、自分で出来る範囲を考えながら憧れる。
その扉の行先はどこ?
上記のようにtweetをさせて頂いた。
それにしても、
Mayさんの・・・というか金さんの躍進ぶりは異常ともいえるもの。
今年半年で一体何本の作品に携わられたか、考えるだに恐ろしい。
普通、公演を一本行うのに必要な体力は人の力だけではない。
いやらしい話、
お金がかかるのだ。
そういった体力も含めて、
劇団力が半端ない。
さてさて、
話が大いにズレた。
この作品の話である。
ロードムービー形式をとった物語は、何故その配列なのかと純粋に思ったりした。
しかしよく考えると先生役の方が同行するのもやむなしの設定。
そう、あの先生の本質と本懐は、作演出の金さんだからだ。
そう納得すると色んなことに納得して、それが芋づる式にパタパタと「なるほど」に繋がる。
この物語は、いつもMayさんが描く「血の系譜」の物語ではなく、
「前向きな生命」
にまつわる物語だったと言うこと。
だからこそ、主役は田中さんであり、あの木場さんだったのだろう。
また、
Mayに出てくるキャラクターには、いつも「愛」があることも特色。
今回出てくるキャラクターも誰一人として腹に一物を持つようないやらしい人物はいない。
愚鈍なほどまっすぐで、言ってみれば損をするような人間にだけスポットが当てられる。
だから僕はこの作品がいとしいのだろうなと感じる。