満足度★
『不本意ラウラ』(村本すみれ)
旧作をダンサーではない人を多く含んだ10人ヴァージョンとして再構成した作品で、ヴォイスやクラッピングを用いた音楽的要素が印象的でしたが、全体として中途半端な感じがありました。
開場時刻を過ぎた頃に1階のアトリウムにパフォーマー達が声を伸ばしながら徐々に現れ、歌いながら3階の中スタジオのステージに移動して始まり、音楽パフォーマンス的なシークエンスの後、1人の男をいじる(あるいはいじめる?)シーンが続き、後半はユニゾンの伸びやかな群舞が長く繰り返される構成でした。
全体的に暗い殺伐とした雰囲気がありつつもコミカルなシーンもあり、シリアスなのかシリアスっぽさをネタにして笑いを取ろうとしているのかが不明瞭な不思議なトーンが感じられました。
ダンサーと共に役者も出演していたのですが、特にダンサーと役者の使い方に差があるわけではなく、かといって同じ動きをすることによって両者の身体性の違いを強調しているようにも感じられず、村本さんがキャスティングに関わっていないとはいえ、このメンバーで何を表現したいのか伝わって来ませんでした。
また音楽や振付が古臭く感じられ、レトロ感を狙っているようにも思えず、魅力を見い出せず残念でした。