満足度★★
『旅居vol.03 』(鳴海康平+阿竹花子)
ダンサーの阿竹花子さんと第七劇場の演出家の鳴海康平さんのダンスユニットが、モモンガ・コンプレックスの作品で発明された、舞台美術として扱われる「舞台美術男子」を用いた作品で、ユーモラスな雰囲気が漂っていました。
この公演の前に行われた公演の客席をそのまま舞台美術として用い、舞台美術男子の面々がウォーミングアップや談笑している所から始まり、阿竹さんが踊り始めると、それを見た舞台美術男子達が相談して色々な美術を試してみるという展開で、舞台美術男子があたふたと試行錯誤している中を阿竹さんは何事もないように淡々と踊っているというギャップが楽しかったです。
後半は舞台美術男子が横一列になって話しながら舞台を左右に往復し続けるのを、阿竹さんが前に立ちはだかって1人ずつ止めていくシークエンスが続いて終わりました。
ダンサーと舞台美術男子の関係性の変化を見せる構成を期待していたのですが、お互い自分の役割を演じ続けていて、最後以外はあまりそのような要素がなかったのが残念でした。
阿竹さんのダンスは流れるような動きが美しかったです。動きのボキャブラリーが少なく、後半になると単調に感じて来て、少し飽きてしまいました。