満足度★★
『井上大輔の果敢なる挑戦 ソロダンス〈百年の身体〉 シリーズ リ・クリエーションズ』
井上大輔さんが継続して作っているソロダンスのシリーズ『百年の身体』の2つのソロバージョンの同時上演と、トリオ作品に再構成したものの2本立てでした。
『井上大輔ソロ編+斎藤栗子ソロ編』
綾小路きみまろさんの漫談の録音が流れる中、井上さんは録音に入っている観客の笑い声に合わせて体を震わせ、次第にダンス的な動きになって行き、途中で斎藤さんが上手から倒れ込んで登場し、その後も静かな展開が続き、後半には同じ振りが作品でした。緊張感のある中に間の抜けた感じのポーズが入り、独特の雰囲気がありました。
斎藤さんの鬼気迫るような存在感が印象的でした。
『トリオ編』
下手手前から上手奥に向かって3本のマイクスタンドが立ててあり、3人のダンサーがお互いに干渉せずにそれぞれの前で踊る作品で、山下残さんの無気力感と斎藤さんの緊張感と武田幹也さんの躍動感の対比が印象的でした。
後半は男性2人がマイクを口にくわえて踊ったり、マイクで床や頭を叩き続けたりし、斉藤さんはマイクを指でなぞったり、エロティックな雰囲気がありました。
人を食った感じが魅力的でした。
両作品とも音楽に合わせてダイナミックに踊るわけでも、感情を表現するように踊るわけでもなく、空間に身体が存在していること自体を意識させられました。