満足度★★★★★
別にどこかの劇団の贔屓というのはあまりないつもりなんだけど・・
東京ミルクホールの舞台は、本当にいつも自分好みで、引き込まれる。
今回も、本公演一年ぶりというのもあってか、
役者の目を見ても、
どのシーンも本当に本気。
時に刺すような目をしたかと思えば、
次の瞬間には
本当に泥臭い(褒めてます(笑
目をしてシメる!
カッコつけて一つのシークエンスをまとめることもできるはずなのに、
あえてそれをしないで、
大昔のコロコロコミックの少年漫画でも見るかのように(笑
泥んこの少年みたいな顔つきで
決めのポーズを決めたりする。
このギャップに凄くしびれるし、とても気に入っている。
題材が入り混じって、凄くカオスなのに、
役者の顔つきが、全くブレない。
画面構成がどうのとか言うつもりは全くないのだけど、
正直、現在の東京の劇団で最も洗練された
(題材は役者が自分と同じ30代が多いせいか少し古いかもしれないけど(苦笑
劇団は、東京ミルクホールなんじゃないかな、と思う。
20代の劇団やダンサーの多くは、
趣味(音楽などの題材とか)は現代的かもしれないが、
場面と場面の結びで
ここほど緩急がついていない
(まるでなだらかな山のようだったりする
これほどカオスで、時に泥臭いようにみえて、
実は洗練された語り口の、
人を食った舞台、というのは、
本来、自分が大阪でもっとも観たい種類の作品だったりする(笑
ただ、気のせいか大阪の人たちは、
東京の人ほどは確信が無いせいか
(本当は東京でもてはやされている作品も、そこまで常軌を逸したものはなく、
本当に常軌を逸した作品のほとんどは外国人が東京に持ち込むもののように思われる
ここまでの語り口の緩急は無いように思う
(そこが、題材は本当に(←ここは強調したい(笑)素晴らしくても、
一本調子な作品が関西に多い理由のように思う(汗
そういう意味では、
別にこの作品が大阪公演をするからという言うだけではないけれど、
関西(特に大阪
に最も必要なもの(ストーリーテリングの上手さと多少の下世話さ(笑
を持っているのは、
やっぱり若手の劇団じゃなくって、
東京ミルクホールなんじゃないかな、と思うんだけど。
インディペンデントとウッディシアターは、
会場の大きさも似てるから、
たぶん大阪で観ても違和感はあんまりないと思う
(会場の大きさが全く違うと、結構違和感があったりする。関西で大きくて東京で小さい場合、小さい劇場で見ると印象がだいぶ変わる。今回は、東京を大阪に合わせたのか、キャパが同じ位(たぶん)なので、逆に大阪で観ても違和感が無いと思う
本当の「洗練」と言うのは、
見かけや雰囲気のことを言うのではなく、
この作品のような語り口をこそ言うのであって、
東京も含めた多くの地域の劇団に見習ってほしい要素なんじゃないかな、
と、自分は思うのだけど・・(笑