満足度★★★
主演二人の演技は光るが…
■統括■
時代を現代に置き換える舞台が最近特に多く感じますが、
今回の作品は厳しいものがあったかな…と。
正直非常に軽かった。何が伝えたいのかあまりに分かり辛い演出。
キリスト教が根付いていないこの国では尚更かもしれない。
要は、見終わった後に心に残るものが少なかった。
主演二人の演技は光るだけに、もったいなかった。
(正直この二人で演じる他のテーマでも良かったんじゃないかという)
一人ひとりの掘り下げ方が甘すぎて、結局誰が誰だか分からない。
恐らく日本人は使徒全員のイメージを持ち合わせていないだろうに、
加えて使徒+何役も演じられては混乱が生じるだけ。
せめてメンタル描くのは数人にクローズアップしてほしかった。
■役者陣■
渡部豪太さん、窪塚俊介さんの演技が光る光る。
渡部さんの表情の豊かさに人間を超越した、けれども暖かい人間味を感じ、
窪塚さんの影を持った言動一つ一つに心を揺さぶられました。
特に客席を移動する窪塚さんの存在感が半端じゃない。
後ろに座られた瞬間背筋がぞくっとしたのがわかりました。
この二人の演技を見られたことに満足。
■その他■
導入の紹介部分、ガヤが大きすぎて、肝心のセリフが聞き取り辛い。
確かに最初はフリートークの様な感じだったので良いかと思うのですが、
舞台が始まったらマイクにガヤを突っ込まないで欲しい…
せめてマイクから外すか、小声で言うか、どうにかして頂きたかった。
あれだけの人数を瞬時に音響さんに動かしてもらうのは無理でしょうから。
円形劇場は360度観客から見える、客席と舞台の一体感あふれる場。
だからこそ演者と目が合いたくなかった…
目が合った瞬間「にこっ」と微笑まれると、思わず「…」となってしまう。
開演前でも話しかけられると思わず引いてしまう…
ABCとかHIROZ見に来たわけではないのです。舞台を見に来たのです。
ファンサービスを求めてわざわざ青山円形劇場に来た訳じゃないのですよ。
全体を通して、女性客の為に作られた舞台という印象を受けた。
それも、あざとい目線で。 正直ここまで狙われたら逆にヘタレる。
二枚目って大変だな、と思ってしまった印象。
見るのを楽しみにしていましたが…
正直内容にも期待していただけに、裏切られた印象を受けた舞台でした。
若くて綺麗な男性目当てで舞台を見に行った訳ではないのに。