世界の果て 公演情報 unks「世界の果て」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    空間を創出する「あれ」の力
    昔、授業で使っていたあれが大活躍でした。

    原作は未読なので、
    その作品がどこまで舞台の空間とつながっているかは
    わからないのですが・・・。

    その空間に築かれたイメージは
    圧巻でした。、

    ネタバレBOX

    OHP(オーバーヘットプロジェクター)、
    齢がばれるかもですが学校では授業などで時々使われていて、
    休み時間などにはいろいろと遊んで先生に怒られたりもしていた
    定規とか、教室に置いてあったの水槽とか乗せたりして・・・。

    その遊び心が、極めてクリエーティブな
    創作の手段として舞台に生かされる。

    正直なところ、物語自体がわかりやすいものとは思わなかったし
    不条理というか織り上がるなかでの歪みに圧迫されたり
    針が飛んだように塗り替わるシーンのつながりもあって。
    にも関わらず、OHPを中心とした場の作り方や
    役者たちの身体が作り出す
    場ごとの印象がとてもクリアで、
    観る側を捕まえつづけるに十分な
    創意の連鎖があって、
    よしんば個々のシーンのつながりを見失っても
    舞台から目を離すことができない。

    そうして、積み重なったシーンが投げっぱなしにならず
    ループして作品に厚みが生まれ、
    その厚みがさらに踏み出して観る側を凌駕していく。
    中盤の時間が巻き戻ったような感覚が導く高揚や、
    終盤の闇への落下感、
    気が付けば
    生きることと死のボーダーが浮かび上がり、
    自分の立ち位置が滅失していて・・・。

    その感覚をOHPの作り出す空間が引き出し、
    揺らし、映えさせる。
    ナイロン100℃が使うような
    映像と演技の重なりに
    さらに、役者のオペレーションによる
    手作りの生々しさが加わって、
    精緻なだけにとどまらない、息遣いのようなものが
    舞台に織り込まれて・・・。
    これ凄い。

    たぶん作品の100%の理解には至っていないと思うのですが、
    観客として、ずっとテンションを持って
    想像力のリードを解き放ち、
    空間の色に染まることができました

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    2012/08/31 06:33

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