満足度★★★★★
重いテーマなのに
キンダートランスポートという、悲しく重いテーマを、コメディも含め軽く、でも伝えなければいけない部分はきちんとおさえた作品だったと思う。
NIEの他の作品同様、ヨーロッパのいくつかの国の言葉で演じられるため、日本語による事前説明があり、出演者達が歌や楽器演奏と、お酒をふるまって観客を会場内へ誘導した。
出演者みんな、観客をわらわせたり引き込んだりするのが上手だった。
特に主人公の女性は、ゴリラの真似がとっても上手で観客をワーっと笑わせてくれたりが、ホントにすごかった。なのに、親と離れ列車に乗って移動するシーンは、とても心細く不安な表情がうまく、涙がボロボロ出た。
イギリスでの生活のシーンは、「うわっ、お下劣!」と言いたくなる部分もあったけど、実際そういうことをせざるを得ない子もいたんだろうなぁと思った。
コメディを多く含み、笑える部分もたくさんあったけど、最後にまた会えると思ってドイツに戻った時に誰も家族がいなくなっていたシーンは、観客の殆どが泣いていた。悲しくて、終わってから少しの間、立ち上がれなかった。