満足度★★★★
食わず嫌いも見るべき舞台っ!
■客の質の悪さに辟易■
新感線の粟根さんを拝見したくてチケットを手に入れましたが、
開場する前から思わず後悔…
というのも、まるでアーティストのファンクラブの集いのような客層。
会場では生写真を片手に、所構わず黄色い声で叫ぶ若者~年配の女性ばかり。ポスターを見た瞬間からある程度想像はしていたものの、客の9割9分が女性という圧倒的な場の力に完全に尻込みしました。
座席についてもまあ酷いこと酷いこと。知り合いを見つけて奇声を上げては突如立ち上がり走り回る客の達の悪さには閉口しました。
■音響・舞台美術・照明■
やはり登場人物が多いせいか、音響ミスが気になりました。
折角セリフを口にしているのに、肝心のマイクの音量が低くて客席まで届かない。全体的に音量も小さ目。残念でした。
舞台美術と照明は、全体を通してシンプルかつ美しい。非常に見やすいです。こうシンプルだと役者に目が行くから良い。衣装もハデすぎず個性が出ていて、初見の客にも見分けがつきやすい。
■舞台■
粟根さんの存在感、迫力、30代後半とは思えない華やかな動きに圧巻。
粟根さんの生きた舞台を久々に鑑賞できて大満足でした。
やっぱり「俳優」ではなく「役者」を見にゆく醍醐味ってここにある気がするんですよ。
舞台を見終わって、思わず笑顔がこぼれる楽しい舞台でした。
ただ一幕は辛かった。可もなく不可もなくというか…個人個人のキャラ立ちの物語の様で、そこまで面白味が感じられなかった。(おかげで混乱せずにはすんだけれども…)
HIROZの優等生版かな?という疑問が頭の中をぐるぐる回り、
役者としては上をゆくかもしれないけど、ううん…といった感でした。
2幕からはもう物語にも役者陣にも完全に魅せられ、
笑いが、笑顔が止まりませんでした。
仲が良い!舞台が好きな様子が伝わってくる!
特に全員での大合唱はたまりません。
武骨に叫ぶような歌い方も時にはいいですよね。心を揺さぶられました。
ストーリーとしてはありがち、役者が多いだけに個々の心情までは描けていませんが、幕間を挟んで、あっという間の3時間でした。
久々に心から笑い、笑顔になれた素敵な舞台でした。
楽しかった!
■鑑賞後に思ったこと■
残念なのは、やはり女性客が多すぎること。
どんな些細なことにでも笑ってくれるから、舞台は温かくていいんですけどね。要するに出来不出来にシビアな客がいない。というかそういう方は劇場に来た時点で引き返すのではなかろうか。(そこが惜しいと思う。楽しめるのに!)
もっと幅広い層に受ける舞台が出来るだろうにもったいないと思ってしまったが、彼らはこの客層を取りに行っているのでしょう。
それぞれ伝えたいことは違うものな~。
と帰り道にいろいろ考えてしまったのでした。