師匠の部屋(上演終了しました。ご来場、誠にありがとうございました。) 公演情報 アリー・エンターテイメント「師匠の部屋(上演終了しました。ご来場、誠にありがとうございました。)」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    水素74%
    落語である必然性はないとはいえ、
    落語というお題がついているからこそ、
    導かれ笑える部分があって。

    知らず知らずのうちに、作品に惹きこまれ見入ってしまいました。

    ネタバレBOX

    登場人物の関係が、奇を衒ったものでないにもかかわらず、
    じわじわと三すくみになっていくなかでの空気の変化が
    絶妙によくて。

    枠の部分とそれぞれのロールの引力が
    少しずつ互いと重なりながら、
    浮かび上がってくる。
    役者たちが、半歩ずつ踏み出しながら
    その空気をエスカレートさせていく。

    3人の役者たちそれぞれの味わいが見事に抽出されていて
    見ごたえがありました。
    アフタートークにもあったように、折原アキラの身体が
    ずるいくらいに舞台を滑稽にしていく。
    はみ出すわけではなく、その場の密度を高めて滑稽なのです。
    また、浅野千鶴の、どこかあざとくて悪~い微笑み(超褒め言葉)も絶品。
    それが、靴の鮮やかな色や衣装とと妙に重なって
    キャラクターの世界を暴き出していく。
    近藤強の、表層のタフさとふっと垣間見せる脆弱さも絶品。

    派手さもないし、
    落語自体なんぞおくびにも出さないのですが、
    その世界を何気に連想させつつ
    だんだんに惹きこんで抜けなくしてしまうような
    作品の力に掴まれてしまいました。

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    2012/08/19 11:33

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