神様のいないシフト 公演情報 芝居流通センターデス電所「神様のいないシフト」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    チカラづくで引っ張ってほしかった
    もっとビートが効いているかと、(勝手に)思っていた。

    ネタバレBOX

    デス電所なんていう名前だから、もっとロックなのかと思っていた。もっとビートが効いているのかと思っていた。ま、それはこっちが勝手に思ってるんだから、あちら側には責任はない。

    でも、ロックの初期衝動のような暴力的な展開が待っている割りには、なんかぬるい。
    ビートが感じられない、聞こえない。ストーリーの展開にも音楽にも。

    ストーリーで言えば、どんでん返しのためのどんでん返しとしか思えないような、二転三転で、悪魔は? 悪魔は? となってしまう。
    もちろん、そんな「悪魔」なんていう概念を凌駕するような、もっと「大きな」モノが全体を覆うような展開となるはずなのだから、そんなことはどーでもいいのかもしれない。
    しれないのだが、だったら、そんな疑問の入り込む余地を感じさせないような、「イキオイ」は見せてくれよ、と思う。

    この二転三転の、不自然な展開は、脚本では埋められないギャップがあり、それを串刺しにして、観客を納得させてくれるのは、主人公のミチルなのではないだろうか。
    彼が、観客をぐいぐい引っ張っていかないと成立しない物語なのではないかと見たのだが。

    しかし、ミチルは歌が下手だ。ひょっとしたら、「神がいない」の演出かと思ってみたものの、そうではないようだ。
    また、演技も沈みすぎだ。それは役の心情を表すために沈んでいる、ことを言ってるのではなく、軸になっていくような「強さ」を感じないのだ。物語が転がり始めてから、激しくヒートしてくる、ナツミに対抗するべく、もっとぐいぐい来ないとダメではないかと思うのだ。
    ぐいぐい来る、というのは、台詞を叫べ、とか動け、とかと言うことではなく、熱さでナツミに対抗してほしいと言うことだ、ナツミとミチルが揃うことで、物語にビート、グルーヴのようなものが生まれ、きちんと疾走していくのではないだろうか。それによって、二転三転も乗り越えられる。しかし、それはなかった。ナツミのみが熱くなるだけ。

    また、音楽について言えば、なぜどの歌も平板に、何も込めないで歌っているようにしか聞こえないんだろうと思った。何人かで合唱していときはまだいいのだが、特にソロで歌うところが、自信がないのか、ビートが効いてこない。すごくもどかしい。

    あと、「F県」なんていう設定にしなくてもいいんじゃなかったのかと思う。
    「神がいなくて」「悪魔がいて」「連続殺人が起こってる」というのは、「この国には」「神がいない」という前提があったとしても、気分はあまり良くない。あえて「気分を害する」ようにしたとするならば、もっとうまくやってほしい。

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    2012/08/08 06:50

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