Woo!!man 公演情報 LEMON LIVE「Woo!!man」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    嬉し涙が溢れました
    とても楽しい芝居でしたが、観客を愚弄しない、真摯で丁寧な、脚本、演出、役者陣の演技に、心から、この舞台を拝見できた幸せを感じて、終盤、涙が溢れて困りました。

    まだそれ程、知名度のない劇団のせいか、客席の空席が目立つのが、とてももったいないと思いました。

    数年前、大好きな山路さんが客演されたのをきっかけに、この劇団に出会えたので、山路さんにも、改めて、感謝の気持ちでいっぱいです。

    それにしても、役者さん、皆さん、演じ分けがお見事!まるで、美味しい鍋料理を堪能した後で、その鍋の残りで、また美味しい雑炊を頂いたような気分。
    ありとあらゆる、名人芸が集結した舞台でした。

    そうそう、このタイトルも、見終わってから、見ると、実に、上手いと、感心しました。座布団10枚って感じ。

    ネタバレBOX

    新宿2丁目のオカマバーにいる、レコード会社勤務の息子達と、その息子達の陰の応援を兼ねて、温泉旅館に繰り出した、韓流好きな母親達。
    岡田さん、植本さん、きださん、松本さん、岩渕さんは、この息子とその母の二役を担当。

    山路さんは、オカマバーの経営者であるヒカルに返済を迫る役目のやくざと、温泉旅館の古参の中居さん。恒吉さんは、オカマバーのヒカルと、温泉旅館を亡くなった母親から受け継いだばかりの若女将。

    恒吉さんのヒカルがどうしても、男の子には見えなかった点を除けば、この一人二役の演じ分けが、あまりにも皆さんお上手で、登場される度に、心の中で、何度も拍手喝采してしまいました。

    特に、山路さん、植本さん、きださん、松本さんの二役は、絶品ものです。

    とにかく、感嘆したのは、オカマバーでは、女装した男性役、旅館の方は、全くの女性役を皆さん演じてるわけですが、同じように、女性の服装をしていても、しっかり、性別を体現される演技力を具えていらして、素晴らしいんです。
    旅館の方の山路さんは、まるで、キムラ緑子さん並に、チャーミングで、女性としての和服の所作も、申し分ありませんでした。

    松本さんも、スタジオライフに入られた頃から拝見している俳優さんですが、男役もこんなにお上手なことを初めて知りました。

    きださんも、お名前は存じ上げていましたが、こんなに、演技派でいらしたとは!桃役の恒吉さんも、可憐で、素敵でした。

    植本さん演じる拓也の母が、若女将を慰める場面、大好きでした。私も、あんな風に、他所の娘さんを慰められる人になりたいと憧れさえしました。

    たっぷり笑える喜劇なのに、ドタバタにはならず、作品の底にそこはかとなく流れる、人情の匙加減が絶妙で、登場人物全員に好感が持てて、芝居が跳ねて、別れる時間が来てしまうのがとても残念に思えるような、素敵な味わいのあるお芝居でした。

    母親達が、皆、スマホの使い方に慣れていない様子も、自然な描き方で、思わず、微笑ましい気持ちになります。

    最後に、旅館の若女将が、ヒカルの姉だったとわかる演出も洒落ています。

    本当に、何から何まで、演劇好きな私には、ご褒美のように宝がいっぱい詰まった素敵な舞台でした。

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    2012/08/03 23:21

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