浮遊するfitしない者達 公演情報 劇団TEAM-ODAC「浮遊するfitしない者達」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★

    理想
    「早く楽になろうよ」と囁く天使と「生きていればいいこともある」という悪魔。
    二つの声に、雑居ビルの屋上に佇むツバサは今日も結論を先送りしたが
    姉から渡された睡眠薬と「これ飲んで死ね」という言葉に、衝動的に自殺を決行する。
    ラストは明るいが強い違和感を覚えたのは私が性悪説だからか。

    ネタバレBOX

    ツバサが目覚めるとそこは無人島。(って彼を取り巻く人々が全員いるんだから無人ではない)
    そこで彼は理想通り、得意の空手を使ってこれまでの人間関係を逆転させる。
    そこから天使と悪魔、それに死神が加わって翼の心の葛藤が始まる。
    本当は色々な思いが有るのに伝えることができない、素直に表現できない人々の行動。
    彼らの真意が明らかになってツバサは悩む。
    自分を散々苦しめた者達を許すべきか否か、人は変われるというが本当なのか。

    結論から言えば
    「受け取り方次第で相手を理解するチャンスはあったはずだ」ということらしい。
    睡眠薬を飲んで意識不明のツバサの元へ人々がやってきて
    謝罪したり、考え直したり、修復したり・・・。
    そして目が覚めたツバサは、もう一度生きてみることにする。

    でも「これ飲んで死ね」と言って薬を渡した姉を許せるものだろうか。
    いじめる人の心理や思惑まで考えていじめられる人なんているだろうか。
    これでは死ぬほど追い詰められたツバサの気持ちは、ただの“勘違い”だ。
    私はこの考え方の軽さ、解決方法に疑問を持たざるを得ない。
    むしろ「いつでも俺を頼って来い」と言ってくれる空手の先生のような存在こそが
    現実的には彼の救いになって欲しいと思う。
    性善説をとって明るい終わり方をしたのだろうけれど
    fitしない人を救うのはもっと別の方法ではないかという気がする。

    この違和感があるせいで、天使・悪魔・死神の3人のギャグにもイマイチ入っていけない。
    こなれたギャグだということはわかるしタイミングもいいのだが
    ツバサがいじめや孤独に苦しむ姿があまりに痛々しくて笑えない。
    さんざんツバサをいじめてきた友人や姉が(姉はべッド脇で泣いていたが)
    反省の言葉もなくみんな仲良しになるのも納得できない。

    現実を忘れてファンタジーとして楽しめばいいのかもしれない。
    でも実際いじめにあっている、あったことがある人がこれを観たら、
    どう思うだろうか。

    天使のキャラは良かったし、
    クワバタオハラの小原正子さん、説得力ある台詞で熱演。
    現実の世界と無人島を切り替えるセットや照明はとてもよかったと思う。

    客席で3~4歳の子どもを膝に乗せて見ていたお母さん、
    いくらなんでもそりゃ無理ってもんだよ。
    ぐずるし飽きるし動き回るし、子どもがかわいそうだ。
    まだ終わるまで30分もあるっていうのに煌々とケータイ光らせる人が1人ならずいるし
    小劇場の熱い観客とはあまりに違う雰囲気にびっくりがっかり。
    観客もいろいろなんだなあと思った。

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    2012/07/30 00:35

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