組曲『回廊』 公演情報 空想組曲「組曲『回廊』」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    少しだけ切ない
    回廊とはそういうことかと。

    ネタバレBOX

    時空の流れが逆になっている男女の出会いを中心としたSF変則短編集。

    それぞれは生から死に向かう普通の人生です。ミズキとユウジは生涯に5回遭遇しますが、一方が幼子の頃の初遭遇は、他方にとっては中年になってのラスト遭遇に相当しますので切なさはひとしおです。

    ユウジは5人の役者が演じ分け、幼子も吊りバンドを使ってそれらしく見せていたので分かり易かったのですが、ミズキは武藤晃子さんだけで、白い毛糸で編んだショールとかバッグを身に着けて区別を図っていましたが、年齢の演じ分けは不十分に感じました。

    幼子からおばちゃんまで何でも演じられる武藤さんなのに、白を基調にしたせいか衣装を変えなかったこともあり、顔や髪型が同じじゃ分かりません。しかも話し方や態度ももっと幼子や娘さんになればいいのにと残念に思いました。

    小玉久仁子さんはいつにも増して強烈キャラでした。斜めから見ると目が光っていて、不気味に手足をクネクネさせる様子は、まるで八犬伝に出てくる玉梓のようでもあり、『江波戸さんちのにぎやかなひなまつり』を思い出させました。

    SFとは少し不思議の略。少し不思議な短編集…、ファミレスに行っても色々想像逞しくしているんですね。そして自分の記憶も大切にしているんですね。

    それにしても、メールの中の「○○ですね。」の「ね」に愛情がこもっているとして、こういうのを足し合わせて求婚されたと勘違いする女性にも困ってしまいますね。

    途中、作家さんが小説が書けて書けてしょうがないと言っていました。それくらいの才能の持ち主は、日替わりゲストを呼んでそれぞれにアテ書きをするといった離れ業まで成し遂げていますが、せっかくの日替わりゲストは最後の舞台挨拶では隅っこでした。真ん中に呼んであげるぐらいの配慮が必要だと思いました。もし、毎日のカンパニーが重要で、和を乱したくないというのであれば、むしろ日替わり自体やめればいいのにと思ってしまいました。

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    2012/07/28 07:19

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