満足度★★★★
やっぱラストが良いわ!
駒場キャンパスの学食で、囲碁談義をしてから駅前劇場へ。
重厚でパンチの効いた楽曲(生演奏)&刺激的な照明&躍動感あふれるダンスを組み入れながら、人間の欲望を狂気も交えて色濃く描く芝居はあいかわらず。イイネー!!!
この劇団のおもしろさは、「観る人によって、感じ方が鏡のように違ってくる」ということかな。
前公演の『ジョギリ夫人』では、ラストの解釈で、遊楽亭の焼肉程度じゃ収まりがつかず、四文屋のレバ刺し&モツ焼き食べてようやくお互い理解しあえたほど、白熱したもんなあ・・・酔い疲れただけかもしれないけどさ(笑)
閑話休題。
『神様のいないシフト』。
デス電所は所々で歌が入るんだけど(ミュージカルとは趣がチョット違って、強く表現したいことだったり、感情が高ぶった結果、歌という表現を取る、って感じ)、歌詞がパンフレットに印刷されています。歌詞を読んでから観た方が、ドップリひたれるかな、と。
ネタバレの要素があるので、強くはオススメしませんが・・・この程度のネタバレで、興を削がれるほど、ヤワな芝居ではございませんので、ご安心を!笑
開演。
ホラーコメディな感じ。
怪しい雰囲気を薄~く感じながらも、おもしろい!
たまにイラっとするのだが・・・それだけのめり込んでるということか(笑)
エクソシストの胡散臭さがたまりましぇん。。。
でも・・・というよりも、やはり・・・一筋縄ではいきませんでした、デス電所。
様相が一変。
バリバリのホラー、というよりも社会派恐怖芝居と言うほうがしっくりくるのかなあ。
鬱積していた感情が狂気へと変わる時・・・この狂気、理解が十分可能なだけに、胸を締めつけられるような感覚が。。。
ラストシーンは、「強烈」。人によっては「陰惨」な感じを受けるかもしれない・・・でも、うっすらとではあるんだけど、カタルシスがある。
実は、このラストシーンは、ボクと友人とで感じ方が違ったんだよね。
ま、彼女とは、ラストシーンだけじゃなく、テーマすら解釈が違ったんだけど(笑)
一般的には、「原発をとりまく人々の欲望」がテーマなのかな。
でも、原発云々は取っ払って、「欲望」をテーマとするのもアリだろう。
キーワードのひとつ「神」から、「現世利益」を連想してもイイ。
同棲している男女を中心としたストーリーなので、「男と女」「恋愛」「妊娠(胎児)」をテーマにして観てもおもしろいかもしれない。
僕は、芝居って入試とは違って、その解釈に「正解」は無いと思ってて。
誰もが同じような「解釈」をする芝居って、「☆5つ」並んでも、数年後には観たことすら忘れていることがある。
いろんな解釈が可能なデス電所の芝居。でも、不条理劇のように、「ふわふわぁ」っとしてない(←多少の偏見があることは、自認しております 笑)、筋が通った芝居なんだわ。
「なにがおもしろいんだ?」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。
でも・・・きっと・・・数年後、ふとした時に下北沢駅前劇場でのひとときを思い出して、2012年7月に思いをうつす。。。
この芝居には、そんな力があるような気がします。