満足度★★★★★
幻
優れた舞台というものは、観客に一瞬、イリュージョンを体験させるものだ。役者の演技、シナリオの緊密さ、音響効果、照明などは其々の装置と言えるかも知れない。然し、それがどんなに優れていても個々に、独立して動いているだけではイリュージョンは生まれない。息詰まる緊迫感や感動の嵐が、緊張の余り途切れる一瞬前の状態を持続し得た時に、それは起こるべくして起こる。総ての要素が混然と一体となり新たな次元で結晶する。その結晶こそイリュージョンの内実である。今日の舞台ではそのようなことが起こった。
シナリオの良さは、無論のことだが、その内容に役者の命を吹き込まれ、観客を巻き込むと劇空間は沸点に達する。シンプルだが深い照明、感興を盛り上げる音楽、俳優一人一人のほとんど自然とみまがうような表情、声音と間、観客の押し殺し固唾を呑み緊張を孕んだ期待が、劇空間を坩堝にする。あるポテンシャルを越えるとイリュージョンは一気に結晶化する。そしてイリュージョンが立ち上がる前までと後を一変させ、世界を更新してしまうのだ。
2012/07/29 01:56
2012/07/27 09:38
2012/07/26 01:48
2012/07/25 12:28
2012/07/24 05:16
2012/07/23 09:54
こんにちは。返事が遅くなって申し訳ありません。
審査員説明会には、どの劇団の方もお見えでは
ないようでした。自分もCM大会の時は行くつもりです。
今日は、ピープルシアターとスーパーグラップラーを
見てきました。森井さんの所は、役者さん達に力が
あるので、いつも楽しみにしています。
また、スーパーグラップラーという劇団は、初見でしたが、
中々、仕掛けが上手で、個々の演技力というより群像劇
を纏め上げる演出とシナリオの面白さを評価しました。
自分が、最近、凝っている複雑系の理論を適応しながら
見ていると、とても楽しめました。お会いした時、ゆっくり
話しましょう。
ハンダラ 拝