アリスのいる部屋 公演情報 メガバックスコレクション「アリスのいる部屋」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★★

    構成・役者・美術
    劇場に足を踏み入れた途端、あの美しいブルーのフライヤーの続きが現われ
    一体この部屋の主はどんな人なのだろうと想像しながら開演を待った。
    最後の最後まで目が離せない脚本構成の上手さと
    2時間15分緊張を途切れさせない役者のレベルの高さが素晴らしい舞台だった。

    ネタバレBOX

    フライヤーを再現したかのような照明に浮かび上がる部屋が美しくて見とれてしまった。
    ぎっしり並んだ本や、木の温もりと古さを感じさせるベッド、机、ベンチ、テーブルなど。
    舞台の左右には木が枝を伸ばしている。

    ぴちゃん、ぴちょん…という水滴の落ちる音に引かれて
    アメリカ各地から7人が辿り着いた場所、それがこの部屋だ。
    彼らに面識はなく、関連性も無い。
    ここがどこなのか、なぜ自分たちがひき寄せられたのか誰も分からない。
    なぜアメリカでアメリカ人なのか、その必然性はあとになって判る。

    第1章から8章まで、8冊の本全てを見つけ出した時全てが分かる、
    しかも見つかる本の順序はバラバラ、というこの構成が素晴らしい。
    中盤、神父が見えない相手に向かって自分の想像するストーリーを叫ぶのだが
    これが時空を超えた物語を整理してくれて、観ている私たちに大きな助けになった。
    その後の展開が判りやすく、謎がくっきりと浮き彫りになった。

    こういう設定によくあるヒステリックな女性を一人混ぜたりせず
    7人のキャラクターが類型的でなく魅力的なのもとても良かった。

    役者陣のレベルが高く、“信じ難いことを信じて結束していく”様が
    鮮やかに描き出されている。
    Aバージョンの神父役BOBさん、謎の多い奥行きある性格が舞台に緊張感を呼ぶ。
    同じくAバージョンの学生役山上広志さん、苦痛の演技がリアルで説得力抜群。
    医師役の下田修平さん、イケメンでチャラいイメージだったのが
    次第に医師としての責任を全うしてリーダー的な役回りも担う変化が素晴らしい。
    役者全員に、台詞のない時でも自然と目が行くようなサスペンスのだいご味があった。

    このテーマ、この構成を書く滝一也さんとはどんな人なんだろう?
    オープニングなど、もう少しテンポ良く進んで2時間で収まったらと言う気もするが
    暗転の度に思わず(何これ、すごい…)とつぶやいて、ラストはじわりと涙がにじんできた。
    メガバックス、余韻にひたりつつもう次を楽しみにしている。

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    2012/07/13 02:38

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