満足度★★★★★
異世界へ誘うかのような
凝った舞台美術にまず圧倒される。今回は特に素晴らしい。あの空間がチャチであったら、あれだけの長丁場と凝ったストーリーが陳腐なものになったかもと思うほどよく出来ていました。効果、音楽もいい。開演前の音楽から、「ああこれはアメリカのお話なんだな」と分かるし、一つとしていい加減に選ばれたのではないことが分かる。ストーリーすごかったですね。謎の迷宮が一つ一つ明らかになっては行くけれど、ラストまで頭をフル回転させないと付いていけないので、本格ミステリーの感がありました。大仕掛けのトリックはないけれど、なんだか島田荘司氏のミステリーを思い出した。ラストが感動的で暖かいのもよく似ている。氏の小説を舞台化したら、こんな感じかも、と思った。
衣装が各登場人物のキャラクターをよく引き立てているのも興味深かったです。役者さんの演技もすごいんだけれど、なんというか、それを感じさせないぐらいのストーリー展開でした。空調が少し暑くてしんどかったです。