のぞき見公演#3 「恥知られたら恥ずかしい」 公演情報 ガレキの太鼓「のぞき見公演#3 「恥知られたら恥ずかしい」」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    嫁と姑と息子編
    ものすごいリアリティ。ストーリー性もなくグダグダな感じなのですが、そこがまさに他人をのぞき見ているようで、斬新です。他の演劇とは一線を画した個性的な公演でした。
    特筆すべきは、役者さんの自然すぎるほど自然な演技。まるで観客が「いないもの」として彼らの生活空間に紛れこんだような気にさせられます。ちょっとした仕草や演出がいかにも日常的で、不自然さをまったく感じないというのがすごい。結局どこからどこまでが台本どおりなのか、いまだにわからないのでした。

    ネタバレBOX

    品川の、とあるマンションの一室で、小さな椅子に座っての観劇です。本当に一室の端に寄っているだけ。仕切りもなにもありません。目の前に役者さん。床を移動する小さな振動まで伝わってきます。
    登場人物は、嫁さん(現代的感覚の持ち主で結婚後も仕事を持っている)、姑さん(昔気質の専業主婦で少々依存体質)、息子さん(おおらかだが機微が読めない)。姑さんの旦那は一年前に亡くなり、今は実家で一人暮らし。他の子供たちは遠方に家庭があるため、近くに住む次男=息子さんのマンションに入り浸っている。嫁姑関係は表面上は良好。しかし嫁さんは内心姑さんが家事に介入することを快く思っていないし、姑さんは息子夫婦に気を遣いつつ嫁さんの現代的感覚についていけない。息子さんは嫁姑のそんな違いをわかっていない。現状とほとんど変わらないだろうという感覚で、姑との同居を考えている。
    こんな微妙なバランスにある三人の、微妙な空気の会話が見所です。なんとも気まずい空気が見事に表現されていて、会話の展開に緊張することもしばしば。特に嫁さんと姑さんの、互いに遠慮しながら無理に会話している感じが素晴らしくリアルで、こちらまで変な焦燥感を抱えていました。この三人の主張はまず一致することはないと思われるので、今後どのような(胃の痛くなるような)話し合いが持たれるのか、非常に気になるところです(笑)
    唐突に始まり、また唐突に時間終了となり、まさに時間制限付きでちょっとのぞかせてもらう、といった趣向でした。55分の公演は他と比べるとコンパクトですが、椅子が簡易的なのと体勢を制限されるのとで、体力的にはちょっとつらかったです。

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    2012/07/04 12:13

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