「バーニングスキン」 公演情報 劇団子供鉅人「「バーニングスキン」 」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度

    つまらなくて途中で帰りたくなった
    アトピーの女の子が主人公だという設定で、私自身にも子供の頃アトピーで随分と悩まされたこともあり興味を惹かれとても楽しみにしていた。開演前の舞台にはアンティーク調の椅子が多数並べられ、それがまるでピナ・バウシュ「カフェ・ミュラー」のようで期待が高まる。

    けれど、実際の芝居は「突飛なことをしている」ということに力点が置かれ、アトピーに対する苦悩も理解も感じられずイライラした。舞台上でハイテンションでバカ騒ぎをされればされるほど客席は冷めていき、早く終わらないかなーとばかり考えていた。

    ネタバレBOX

    娘をアトピーとして生んでしまったために両親が過保護に育てすぎ、結果、娘の性格が破綻し、家族を崩壊させるというアウトラインはある程度理解できるけど、それならなぜ妹を殺し、両親の殺害を企てなければいけないのか動機が全然伝わってこない。単に「アトピー患者として生まれてしまったから」だけが動機なら、全てのアトピー患者に謝って欲しいとすら。

    妹の代わりとして登場するジェニファーも、エキセントリックなところが強調されすぎて、アトピーの娘とどういうつながりがあるのか、なぜ妹を殺すのか、まるで理解できない。

    そんな風に、全ての話が客席を置き去りにハイテンションに続いていき、舞台のテンションが上がれば上がるほど見ている側は冷めていく。

    「舞台上の椅子を指定の位置に動かす」という特定の客に対するイジりも、それで客を笑わすこともなければ芝居の世界に客を介入させるという試みにもなっておらず、ただ単なる「客イジリ」で終わっていた。「こんなことできるオレらどうよ?」みたいな傲慢さを感じ、腹立たしかったほど。

    エンディングで「全ては妄想でした」とも取れるオチがあったけど、そういうオチが一番つまらない。

    主役の女の子の役者としての技量は高かったので、もっと面白みのある舞台で演技をすればいいのに、と思った。

    2012年に観た芝居は素晴らしいものが多かったので、個人的には上半期ワースト1でした。

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    2012/07/01 17:18

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