満足度★★★
茶番
毒入りカレー事件をベースに国名こそ出さないものの、アメリカであることが明らかな「対テロ戦争」「誤爆」事件とを絡めて、事実と正義のギャップを笑い飛ばした作品ではあったが、笑い飛ばすことで何が見えてくるというでもない所に自嘲と世界の茶番を見抜きながらどうにもならない憂さ晴らしが見て取れるようであった。実際、和歌山の事件の犯人が誰であるにせよ、事件は、エアコンの効いたビューローで制作されるのである。アフガニスタンを攻撃したアメリカの目的は明らかにBTCパイプラインであり、タリバンがビンラディンを遇したことではない。またイラク攻撃にした所で、イラクは大量破壊兵器を持ち、且つ迅速に西側に多大な損害を与えることができるという大ウソも捏造されていた。9.11も未だにヤラセ疑惑を払拭できないばかりか、イランの「核」開発については矢鱈、とやかく言うのに、イスラエルの核武装については口を閉ざしたままである。情けないのは、こんな茶番に我が国も大きく関わっていることである。その日本の、事実に対する、また、人間の権利に対する哀れな対応も笑われているとみてよかろう。