淋しいマグネット 公演情報 ワタナベエンターテインメント「淋しいマグネット」の観てきた!クチコミとコメント

  • D-Stage 淋しいマグネット
    とても長いので興味のある方だけどうぞ

    ネタバレBOX

    D-Stage 淋しいマグネット Team:White



    上映時間そこそこあるのに、気が付いたら休憩で。
    …嗚呼、引き込まれてたんだなぁ。と。
    そして見終わった後に残る疲労感ともやもや感。笑





    ストーリー自体、というのか、お話は短かったなぁ。
    短編小説を読んだ気分。


    4人の登場人物の感情が複雑に絡んだ、4人の関係が少しずつ変わった人生における分岐点を切り取って過去と現在を行き来しながら一人の青年の死について触れる話。
    …かなぁ。



    「複雑」という単語を使ったけれど、それは互いの思念の話で。
    物事の結果を引き起こした原因は、それは実はどれも「単純」なことだったんじゃないのかと。

    ストーリーが、いわゆる「このお話の結末は、観てくださったお客様の心の中に。」というタイプなのでね。
    十人十色の解釈があると思います。



    私が今回観たTEAM:Whiteのメンバーが作り上げた役も、他のチームが演じたらまた違ったキャラクターとして映るんだろうなぁ、と。




    瀬戸君:リューベン
    ハマり役…ってか、演技が上手すぎて気持ち悪くて怖かった。
    私が良い思い出が無いタイプの人間の役を演じていたんだけれど…彼の仕草に嫌悪して、表情に身震いした。
    ソフトマッチョなボディーにベイビィフェイスと、ギャップ萌えに本体はとっても大好きな役者さんなんだけれどねぇ。笑
    何でもない、笑い方、に、恐怖心を覚えるというか。
    崖から飛び降りるシーンの狂った様相は、見事の一言…かなぁ。
    落ちるぎりぎり、に…笑ったように見えたのは、本当に笑っていたからとかじゃなく、彼が作ったリューベンは飛び降りることを自ら望んだんだと思わせてくれたからだと思う。
    望んだものを手に入れるための方法を見つけて一歩踏み出す。
    その選択肢に何の疑いも持たずに、狂っている事実に気を留めることなんてまるで無い。
    彼にとってのその行動は、自分にとってのつらい現実からの逃避ではなく、現状を己の望んだ方向へと転換させる為の希望の一歩…だったんだろうなぁ。
    考えに考えた末に見つけた解決方法、ではなく、彼の思考回路が素直に導き出したもの、かな。
    悲しい、哀しい答えだけれど。
    もっと別の世界に触れていたら、もっと別の選択肢もあったんだと思う。
    けれど、彼は後悔も悲嘆もしていない…んじゃないかなぁ…とか。
    狂っていた。と一言で片付けられない情緒の持ち主ではあった事を差し引いても。
    彼の全てを理解しきるにはそのときの彼らには不可能だったんだろうね。
    だから嫌悪もしたし、距離も置いた。
    自分とは、自分たちとは違う「異質なもの」として扱った。
    そのくせ、自分の作った物語を語るときの表情はまるで無邪気な子供で、彼の持つ独特の世界は他人には無い不思議さを魅力に彼らを引き付けた。
    自分の心を言葉にした彼の物語を彼が彼自身の口で語るときは、話し方から、何から、たどたどしい言葉遣いと動きから一転して、小さな子供が自分の夢の中の話を自分の夢の中でおしゃべりしてるみたいな自由さがそこにはあって。
    瀬戸君の滑らかな語り口調に紡がれる物語の中で、リューベンは空を泳ぐみたいに自由に見えた。
    …うん、長いね^^;


    ゴンゾがリューベンに惹かれたように、私も彼の魅力に引き付けられました。




    柳下君:シオン
    最初見たとき誰かとwww
    おぃおぃ記憶の中の彼ともフライヤーの写真とも完全に別人ですけどwww
    役者の役作りへの根性パネェ。
    これで次はタンブリングするんだもんねぇ…がんばれー…。
    一回、は…観に行きたいなぁ。
    前回の舞台タンブも面白かったし。
    スダマサ観るつもりでアンサンブルに惚れて帰ってくるっていう安定の自分ね。笑

    また脱線した^^;

    えーと、シオン。

    一番人間らしい人間、って印象でした。4人の中で。

    だから一人だけ結婚できたんだろうなぁ。

    女を見る目があるかどうかは別として。

    そして大変ながらも堅実な仕事に就いて多くの人とかかわりながら生活しているって辺りが人として結構人間出来てるタイプなのかも、と。

    その人当たりの良さが誰か一人に気持ちを集中させることができない要因の一つだったのかもしれない。

    考えが足りない。ってゴンゾ?かな、そんなような言葉を言っていたし、幼少期からの彼のポジションは馬鹿にされる役で。

    リューベンとはまた違った次元で、彼もまた自分の感情に素直なんだろうなぁ、とか。

    そんなんで、結局のトコロ。シオンが崖から落ちる理由を作った言葉を彼に言ったのはシオンだったのかな…。

    空の庭は、リューベンが3人と出会う前に作った話だったけれど、空中庭園を壊す最後の石を投げたのが「肉屋の父親」ではあったけれど、それを演じていたのはシオン役の柳下君で。

    暗喩として…かなぁ、と。

    いかにもイメージとしての「地方の第一次産業系中小企業の社長」って姿を表現してくれてた…気がする。

    大人のときと、幼年期のときのちょっとノロマな鈍いタイプの人間って言う、「わかりやすい」表現が好き。

    今まで高校生役とか実年齢よりもちょっと若い~…って姿しか知らなかったから、シオンで観られてよかった。




    ちなみに私が観た回で食べてた寿司ネタはおそらく玉子と赤身マグロでした ←




    橋本君:トオル

    えー…こんなに演技上手かったっけ?←

    第一声から大変失礼かましましたが、…吃驚した。

    前にちゃんと観てたのがオーズだったから?かな。

    なんだろう…立ち位置的には二枚目優男って要素が入ってるのかなぁ…。

    最初観た時には立ち姿に荒木様かと思っちゃった。(同じ役なんだね。)

    一見クールなホワイトカラーなんだけれど、実のところ激情型。

    その片鱗は少年から青年への過渡期に見せたゴンゾへの執着心ゆえの…例のシーンかしらん。

    あれ、他の色だとまたちょっと違った感じに演じてくれたらしい。

    Whiteは…ある意味一番ガチに見えるカンジなのかなぁ。友人の感想聞くところによると。

    ゴンゾには混乱と戸惑い、トオルには小さな達成感と、同時に、同じだけの小さな後悔がきっと胸の内に。

    きっと誤魔化すことも出来たんだろうけれど、トオルの表情にゴンゾは何も言えなくなったんじゃないかって。

    だからあの後、トオルが自分から誤魔化した。

    ゴンゾのことをずっと見てきた彼だからこそ、困らせた、戸惑わせた、と彼に対してマイナスの感情を抱いたから。

    受け入れられるとは思っていなかっただろうけれど、あのシーンで気持ちにけりをつける…つもりだったのかな。

    結局はずるずると続いてしまっていたように見えたけれど。

    大人になってからの、ゴンゾへの怒鳴り声での心情の吐露は、まだこうして自分を否定するのかと、苛立ち、と、それ以上に悲しかったからこそ声を荒げていたんだと思う。

    苛立ちの矛先は、死して尚もゴンゾの心に(自分の求めたその場所に)居座り続けるリューベンへも向かっていたんだろうな。

    彼の才能を認めていると言った、トオルの気持ちは未だにどちらなのか判断付かないけれど。



    公開稽古のプレスへの発言は「ナチュラルな感じ」だそうです。笑




    碓井君:ゴンゾ
    うーわぁー…一番解り易くて一番謎!笑

    トオルにとっての「唯一」だった存在は、リューベンと出会うことで、出会わなければまるで想像も付かなかっただろう未来に。

    きっと、ゴンゾの時間はリューベンが死んだときに止まっちゃったか、時計の歯車が壊れちゃったんだろうな、と。

    一番考察したいけど、

    友人の発言読んで、それから頭が回らなくなったので終了。

    …書いちゃ駄目かもと思いつつ、書く。

    もし、柳がリューベンだったら、誰がゴンゾを演じても、ゴンゾはきっとあの崖から飛び降りたと思う。




    シリアス舞台苦手なんだけどなぁ^^;

    楽し~…くはなかったが、面白かったです、淋マグ。



    タイトルの意味、飛べないフラミンゴのモチーフをつけた機会で花びらを飛ばせたということ、マリオネット。

    深いなー…と。

    いくらでも書けそう、感想。



    リューベンの書いた物語は自己の投影だったのかな。

    肉屋の娘が彼だったとしたら、金を生み出す魔法は事実だった一時の夢で。

    彼の心が人と少し違っていたこと、足を引きずるような歩き方であったこと、それが父親が全ての原因ではなかったように、と、せめて思う。

    物語の中で、マグネットを壊したリューベンは、「淋しい」という言葉だけでなく、「壊れた」という単語を使っていたってことは、自分のコト解ってたのかなー…とか。

    駄目だーリューベン好きになってるー…ゴンゾー一緒に飲もうー!←



    アンサンブルのクラシック…じゃないな、コンテンポラリーバレエが素敵過ぎて^q^

    ポアント履いてたし、モダンではないと思ったけど、括りってコンテンポラリーで良いのかなあのダンス。


    淋しいマグネットPurples


    紫チームに少し。



    荒木様…

    この人は見てくれがキレイすぎるのが卑怯だ。笑

    例のシーンは、ちょっとふざけたカンジに…いかにも「お酒に酔って」ってふうに演じてました。

    このほうがごまかし効くよね。…ただ、その後の表情がちゃんと見られなかった席だったので、どこまでどう考えてトオルがそうしたのかは解らないまま。

    自分の気持ちへの訣別の儀式としては成功だったのかな。

    大人になってからの再開で、ゴンゾに怒鳴るところはたぁとほど執着による憎悪、っていうふうには見えなかった、から。

    早口で怒鳴っても台詞がちゃんと聞き取れるのがさっす~☆だったねぇ…。

    アメリカ観に行けば良かったと今更ちょみっと後悔。



    遠藤君…

    私の感じ方だけど、碓井君とあんまり差が見つからなかったなぁ…それは別に悪いことでもなんでもないんだけれど。

    役のせいかなー痩せた?肌荒れも…嗚呼うん、この舞台迎えるにあたってかなり悩んだんだろうなぁ、と。

    大人になってからの3人がシオンの作ったサプライズ前にして放すところの言い回しが、何となくだけれど碓井君のゴンゾよりも聞いてて腹立った。

    現実を受け入れずに大人になりきれない部分…の露出の仕方が荒っぽく出てて、自分がトオルだったらぶん殴ってるだろうなぁ。

    シオンの「お前最低だな」に同意した。

    しかし、シオンに向かって落とした500円玉が意外にも転がっちゃって、焦って足でふんづけたところはつい笑ってしまいました。笑



    阿久津…

    凄い。の、一言。

    正直なこと言うと、紫観る前に白で瀬戸君のリューベン観てたからさ。

    阿久津どんなもんじゃい。と少々舐めてかかってましたー…ぃゃ、負けず劣らず、しっかり、役者だった。

    少年探偵団の阿久津は好きだったけど、忍ミュの久々知は私の好きなカンジではなかったので、キャラに合う合わないで違ってくるのかなぁ…と思っていたら、そうじゃなかった。

    阿久津観てて初めて「綺麗」とか「美しい」って形容詞で見られた気がする。

    瀬戸君ほど儚げな印象とかなかったけど、彼のリューベンが「白」で無垢故の危なげな幼さがあったとしたら、阿久津のリューベンは「紫」の不思議な魅力…言葉にできない何かでもって人の視線を集める、そんなカンジ。

    本人見てると役作りに苦労している感は無いんだけれど、相当悩んだんだろうなぁ、と。

    あのコの(人見知りはしても、ちょっと変わったところで)物おじしない性格が、良い方向に働いて、経験の少なさを補って瀬戸君とは違うリューベンを作り上げられたんだろうなぁ、と。

    不完全さが生んだ空白を見る側が無意識に埋めようとして舞台を食い入るようにみせてくれたのかもしれない、なんてちょっと考えてみたり。

    次の主演舞台に期待が高まります。



    陳ちゃん…

    お疲れーマジお疲れ様でした。

    久しぶりのDステだもんねぇ…エンター様やりながらって相当ハードだったよなぁ…

    特撮ってただでさえ撮影スケ厳しいらしいのにね^^;

    だからか痩せてたねぇ…シオンの身体とシャープになっちゃったお顔との差が…ゴメンちょっと違和感だった。

    トモ君が丸に近い顔に対して、陳ちゃん面長さんだもんねぇ…そして子供衣装うの似合わなさ。笑

    陳ちゃん、ブログで毎日毎日を大切に1日1日の公演を楽しみたい…というような事を書いてて、板に立つ姿と、カテコでの立ち姿に「嗚呼このコは本当に板の上で生きているコなんだなぁ」と思わされてきました。

    ブログ、ね。

    かなり鬱ってたよねぇ…やりにくかった、わけではないんだろうけれど、難しかったんだろうな。

    演技に対してどこまでも真摯で真剣なコだから。

    悩めば悩むほどにドツボで、一つ光が見えてもまた一つ別の闇が生まれて、そんな葛藤を続けて続けて~…の、役作りだったんだろうなぁ、と。

    同じ役を別の人が演じる。自分と同じセリフを自分じゃない人が同じ名前の役で口にする。

    勉強になることも多かったんだろうけど、それ以上に「自分が演じることの意味」とか、そういうのを見つけるのに苦労したんだろうなぁ…と。

    忍ミュのときも、再演ってことでかなり悩んだっぽいもんねぇ…。

    でも、カテコの拍手が全ての答えだと思うので、ね。


    外国文学ゆえの感覚の際で理解できないユーモアの部分はあったけれど、ストーリー、面白かったです。


    0

    2012/06/18 12:00

    0

    0

このページのQRコードです。

拡大