神様の観覧車
12年前の悲しい出来事で両親と両目の視力を失った主人公。
年の離れた三人の兄と助け合いながら生きていた。
だが、15歳を迎える誕生日を目前に彼女と彼女を取り巻く人々の運命は大きく転がり出す。
それも、酷く、悲しい結末へと…。
…まぁ、あらすじは公式さん見に行ってくださいってことで。笑
公演終了してるのでさっくり書きますが、主人公、物語中盤で不治の病を患っていることが発覚。しかも既に手の施しようがない状態。
…前半の、障害を持っていながらも明るく元気でいる姿との対比がね。
話し方も、兄さん達とのやり取りも、例えば縁側から庭に降りるときにサンダルが見付けられなかったりだとか、そーゆー仕草がなければどこにでもいる普通の明るく元気な、しっかりした女の子で。
だからこそ、自分の死期を知ったときの取り乱し具合との落差、が。
半狂乱になって「どうして死ななきゃいけないのか」と周囲の人間に当たり散らす姿も、何も言えないでいる兄さん達も、ただ「生きる」ってことがどれ程当たり前で、けれど、どれ程恵まれていることなのかを痛いほどに伝えてきた。
切ない、苦しいぐらいにストレートに一つの家族を襲った悲劇を表現しているけれど、ファンタジックな部分に救いや楽しさを持たせて。
前半には笑いの要素も所々に。(だからこそ、物語の冒頭は「両親を亡くし、けれど兄弟仲良く、目の見えない妹を助けながら生きている家族」って明るい姿として映ったんだけれど。)
ファンタジー要素として、主人公の頭の中の想像(創造)の人物が3人登場するんだけれど。
誰もが優しくて、その優しさは不器用だったり、優しすぎて悲しかったりもして。
聖也君。
千石だし、鉄之助だし、本人元気っこだしー…で、明るいイメージが一番で、本人と近い役のが良いのかな~って思ってたけど、少し気が弱くて、でも芯を持ってる、心優しい……みたいな役、面白かった。
盲目の少女の背後で、優しい声で会話しながら凄く悲しく困ったように笑ってて。
丁度そのシーンが正面だったから、これでもかと泣いたよね泣かされたよね ←
そうそう。
円形劇場なんだけど、座席のC~Dあたりかな。
その辺潰して舞台作ってくれてました。
だから中央の円形舞台以外でも物語が展開されます。
BA間かAHか忘れたけれど、そのどっちかの通路が一応正面…だと思う。
まぁどこから観ても面白いようにしてくれてるので(というか、日常を描いた作品であるが故に小さな仕草の一つ一つ全てを観ることは出来ないと思うので、)初回で思いっきり泣いたら、リピって、「生きる」ってことと「運命」って言葉の意味をちょっと考えつつ別の場所から観るのが良いかなー…とか。
リピってる友人が2回目だからこそ解った部分もある。って言ってたし。
何より、初回は泣きすぎてワケ解んなくなるし考えてる余裕無いし泣く準備せずに行くと感情移入しないように必死になるから落ち着けない←体験談。笑
あー、と。えーと、知ってる役者さん、中河内さん。
…テラいけめそ。
明るいキャラってコトで表情がくるくる動いて観てて楽しい^^
そしてスーツ着たときのスタイルの良さが反則ですブロマイド売ってください ←
主人公の兄なんだけれど。
何よりどんなときも(嗚呼勿論彼の兄役だけじゃなく全員が)主人公を(大切な存在として)愛してるんだよね。
向ける笑顔からそれが受け取れて。
憤る表情からも伝わって。
怒鳴る声の切実さは痛いぐらい。
普段はふわふわへらへらとしたキャラクターが強い感情をぶつけてくるときの演技の強さに圧倒されました。
あ。
でも一番おぉ~!って思ったのは白いサンタ役のプリティさん^^
歌うシーンがありまして。
暗転に音楽流れて「おぉ、良い歌…なんのCD流してるんだろ?」って思ってたら、マイクonの生歌。
英語の歌なんだけど、向こうの人みたいで。声が、めっちゃ綺麗。
声量も凄くてさぁ…兎に角テンション上がったよね。
キャラクターとしても美味しかったし☆
書きたかったのこんなもんかなー。
最後に作品タイトルだけれど。
「観覧車」は、この家族とソレを取り巻く人にとって、全ての原因であり、墓標であり、自分達を動けなくさせている柵の元であり。
けれど、「神様」と付く理由はちゃんとあった。
物語の初めの方で「観覧車」での事故が元で…なコトが客席に伝えられるので「なんで『神様』なんて言葉が?」って思いながら観るんだけれど。
一番最後にその疑問に綺麗に答えがピタってはまるの。
…その瞬間が、一番心地よくて、それでいて悲しく哀しく、愛しかった。…です。