満足度★★★★
どうしても結婚したい女の気持ちが
よく表現されていてすごく面白かった。そう、結婚とはこういうことなのだ。訳の分からない近所付き合いや、イライラする同じことの繰り返し。亭主のわがままや暴言も笑って聞き流す度量が必要だし、うっとうしい家族も切り捨てるわけにはいかない。舞台の上で起こっていることはすべて、そのまま凝縮された主婦の生活だ。で、なんだかんだ言いながら、みんなそこそこに妥協し、着地点を見つけてゆく。これが生きるということであり、生活するということなのだ。しかし、人間だからたまには切れることもあり、みんながびっくりし、雨降って地固まるのことわざどおり、もう少し妥協のグレードを上げて生きていく。こんな女の生活が、痛いほどによく分かる劇でした。そしてこの当たり前の過程を上手く劇に仕立てた脚本家に拍手。