NOVEL lie’s 公演情報 super Actors team The funny face of a pirate ship 快賊船「NOVEL lie’s」の観てきた!クチコミとコメント

  • 満足度★★★★

    ドラマ1クール分のボリューム
    初めての劇場は、舞台に幕があり小劇場とはまた違った雰囲気、客席の年齢層も幅広い。
    ミステリーとしては最後まで謎を引っ張る力があって面白かったが
    饒舌な台詞による説明でキーワードが埋もれてしまいそうな危うさも感じられた。
    主役2人の緩急ある台詞が生き生きしていて2時間以上を飽きさせない。

    ネタバレBOX

    雨宿りしていた男2人が、その家の芸者置屋に上がらせてもらう。
    一人は小説家の野良犬先生(清水勝生)、もう一人は友人の民俗学者(石田滋)だ。
    置屋の芸者が親切にもてなすうち、男たちは徳川の埋蔵金の話など始める。
    このあたり、野良犬先生の江戸弁と芸者阿璃栖(ありす・金村美波)の口調がそれらしくて古き良き時代劇を観ているような感じ。
    民俗学者の話し方が、言葉は古風だが比較的現代風のさらりとした台詞回しなのも心地よい。

    やがて居候が集まる謎の洋館に場面が移ると、レトロとはまた違う”違和感”を覚えた。
    屋敷に居候している人々、留学先から戻った息子や友人の探偵など総勢十数人が入れ替わりたち替わり登場するのだが、声良しなのは素晴らしいとして、声を張ったまま大仰な長台詞は少々キビシい。
    野良犬先生の、寝ているうちに自分でない誰かが原稿を書いている…という悩みや、どうやらその原稿に出てくる面々が、実際の洋館に集まっている人々を指しているらしいことなど、謎やら伏線やらを全てその長台詞からくみ取るのが難しいのだ。
    演出の方針かもしれないが、常に歌舞伎のような朗々とした話し方だと
    キーワードを聞き逃すまいとするには少し疲れる。

    それにしてもストーリー自体はとても良く出来ていると思う。
    美術品ばかりを狙う怪盗「アマツキツネ」や、思いがけない血のつながり、
    上海を舞台にした意外な過去、徳川幕府の埋蔵金など
    テレビの連続ドラマにしたら1クール十分に持ちそうなボリュームだ。

    ちょっと残念だったのはラスト、肝心な事件の発端である阿璃栖の心情が
    「愛を確かめたかったから」みたいな一言で説明されていたこと、
    それと全てが明らかになった後、野良犬先生が自分の言葉で語らなかったこと。
    そこが一番聴きたい、と思ったのは私だけだろうか。

    働く女性の権利主張などに時間を費やすよりも
    2時間ドラマの崖のシーンみたいに、“まとめの時間”が欲しかった。
    要はそれだけ複雑な登場人物と謎解きの面白さが満載だったということだ。
    良く出来た「ピカレスク小説」のようでとても楽しかった。

    野良犬先生役の清水勝生さん、情けない小説家も良いが
    上海でブイブイ言わせていた頃も、もっと見たかったなと思う。
    硬軟どちらも素敵な役者さんだと思う。
    阿璃栖役の金村美波さん、あだっぽい姉さんの存在感大。

    奇想天外な話だからこそ、私たちは日常を離れて芝居の中に遊ぶことができる。
    ダイナミックなストーリーが楽しい舞台だった。

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    2012/06/10 17:45

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  • うさぎライターさんご観劇ありがとうございましたm(_ _)m
    楽しんで頂けたようで何よりです(^^)

    後日談は確かに気になる所ですよね。
    確かに色々な物が盛り込まれていてドラマになったら、一回一回謎が積み重なっていって面白そうです(^.^)

    キーワードが埋もれがちになってしまったのは、今後の課題として取り組んでいき
    またミステリーをやることになった際は、更に楽しんでもらえるような作品を作っていきたいと考えています。

    また劇場でお会いできる事楽しみにしています(*^▽^*)
    今後もよろしくお願いしますm(_ _)m


    2012/07/05 16:22

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